-ユチョンside-
ヒョンたちの家に泊まって、
オフを良いことに昼過ぎまで寝ていると
部屋の外からギャーギャー聞こえてきた。
もはや目覚ましのようだ。
ベッドの中で伸びをしながら大アクビをしていると
「ユチョン!」
ジュンスが勢いよく、部屋に入ってきた。
「何だよー朝っぱらからー」
「もうお昼だよ!」
「んー?」
「トライアングルだよ!トライアングル!」
「ふぇ?何言ってんの?triangle?」
「そう、トライアングル!」
「どゆこと?」
「ヒョンたちとチャンミンの!!」
「3人で言い合いしてんの?珍しくない?」
「言い合いっていうか…」
「ん?」
「とにかく!早く起きて!!」
腕を掴まれて、転びそうになりながら
リビングへと連れて行かれると
いつもの光景なのに、ちょっと違ったのは
チャンミンも巻き込まれて
且つ、立ち上がって耳を真っ赤にしているからだ。
「ヒョンのバカ!!」
「ごめんってばー…」
「お前、ジェジュンにそんな風に言うなよ!」
「でも、どうせユノヒョンが無理矢理聞き出したんでしょ?!」
「えっと、それは…」
「ほら!何ですか?!2人で僕をバカにしてるんですか!お?!」
「違うってー…チャンミナ〜」
「確かに俺が隠し事されるの嫌って聞き出したけどさ、
だからってべつにバカになんかしてないぞ?!」
「…何ですか、余裕ですか…」
「余裕ないっつーの。嫉妬したわ」
「ユ、ユノ」
何だ、この状況…
「ねえ、ユチョナ」
「ん?」
「これは、仲裁に入らない方が正解だよね?」
「うん…」
「僕、お腹減ったのになあ」
「俺も」
柱の影から見守っていると
俺とジュンスのお腹の音が鳴り始めた。
「ヒョ〜ン」
ジュンスが眉を下げて控えめにジェジュンイヒョンを呼ぶけど
その声は喧騒に掻き消されてしまう。
シュン…とするジュンスの頭を撫でると
子犬のような顔で俺を見て、
やっぱり可愛いなーと思った。
俺はジュンスを甘やかしたいのに、この状況はいけない。
ジュンスのお腹と背中がくっついてしまうよ…
「大丈夫ですよ、僕は寝取ったりしない」
「「「「え?」」」」
あれこれ考えているうちに
チャンミンの一言で
まさかの4人同時に、声を漏らした。
「寝、取る…?チャンミナ?」
「だーかーらー!心配しなくても
ジェジュンイヒョンを寝取ったりしないんです、僕は!
そんなことしたらユノヒョンに殺されかねないし
まだまだ食べてみたい物もたくさんあるんだから死ねない!」
「いや、そういうことじゃなくてさ」
「何ですか!しつこいなあ!」
俺たちの疑問に辿り着かないのか
チャンミンが呆れたように言っているけれど、
さすがにそんなことを誰も口に出して言えない…
と思ってたら、
空気の読めないユノヒョンが平然と言ってしまった。
「童貞が何言ってんだ笑」
それはバカにするというよりは
弟をどこか心配するような声だったのだけれど、
「なっ!!…僕は童貞じゃない!!」
とチャンミンが声を上げて反論した。
「うっそだ〜チャンミナ何言ってんのー?」
「何言ってるんですか!童貞なわけないでしょ!!」
「だって俺知らないもん、そんな話」
「そりゃそうです!言うわけないんですから!」
「チャンミン?強がらなくていいんだぞ?」
「…人をバカにするのもいいかげんに…」
「べつにバカになんてしてない。大切に守ってるのは良いことだ」
大真面目にそんなことを言えるユノヒョンは
空気を読めない以前の問題なのかもしれない…
「違いますってば〜…僕は童貞じゃないですって〜」
この状況に心折れそうになっているチャンミンは
項垂れ始めている笑
「チャンミンは童貞だよねえ」
この純粋すぎる俺の隣にいる奴も少々、問題かも…
「でも、待って…」
「ジェジュン、どうした?」
「…ダメだ!俺の大事なチャンミナが
他の子に童貞を奪われるなんて!!」
「え?」
「だからー違いますってー…」
「だったら、俺が抱かれた方がいい!!」
「は?!」
「嫌だもん!そんな寂しいことってないじゃん!!」
「ジェジュンイヒョン、何言って…」
「嫌だよう!!」
「何言ってんだ!ジェジュンア!!」
「ファーストキスも俺なのに、そんなの…許せない!!」
「ダ、ダメだ!!お前を抱いていいのは俺だけだ!!!」
はて…
「ねえ、ユチョン。これ何の話?」
「俺にも分かんない」
言うなれば…茶番?
「ユッノ…!みんなの前で何言ってんの!恥ずかしい///」
「いいんだ!!これは大事なことなんだ!!」
「だって、ほら!ユチョナとジュンスもいるのに!!」
ジェジュンイヒョンが俺たちを指差した。
「気づいてたんだね」
「だな」
確かにヒョンたちは
2人のことを直接的に俺たちにも話したことがないかもしれない。
でも、それは今さら言うことでもないからだと思っていた。
言葉にしなくても、2人がどういう関係かは分かる。
そうじゃないと、平気な顔して一緒になんかいられないでしょ?
2人はコソコソしてるんだろうけど、
夜中にどんな声が聞こえてきたって
今や俺たちは何とも思わないし、
またか、と呆れるくらいだ。
「ヒョーン」
少しだけ声を大きくして呼んでみる。
「暗黙の了解ってやつっすよー」
そう、今さら、なのだ。
「だよー」
続けて、ジュンスもそう言った。
「ほら、見ろ」
「な、何言って…///」
「別に恥ずかしがることじゃないだろ?」
「それでも俺は…」
結局はユノヒョンの素直さが嬉しいくせに
恥ずかしさからか頑固なジェジュンイヒョン。
もうそろそろ、空腹が限界だ。
「ねえ、もういいかな?腹減ったんだよ、俺たち」
同意を求めるようにジュンスの肩に腕を回すと
ジュンスも勢いよく首を縦に振る。
「あ、俺作ってる途中だったんじゃん!嫌っだ、もう!」
「確かに、僕もお腹空きました」
「俺も」
「誰かさんがポロッと内緒話を言っちゃうからでしょ?!」
「だってチャンミンが…」
「僕のせいにするんですか?お?
この家の長男たちは秘密も守れないんですか?」
「お前らにたいしてだけだよ〜チャンミンもジェジュンアもごめんよ〜」
「うるせーですよ…もういいです、ご飯食べましょ」
結局のところ、この喧騒のメインが
何によるものなのか、さっぱりだったけれど
きっと、いつものことだ。
いつまで経っても落ち着きがない、
子供みたいな俺たち。
でも、この”いつものこと”がこんなにも心地良い。
俺たちは、家族なんだから。
「さあ、ご飯にしよう!
今日は珍しく5人一緒のオフなんだよ」
ジェジュンイヒョンがそう切り替えるように微笑んで、
テーブルにお皿を並べ始める。
今日は何をしようか。
いや、何もしなくたっていい。
5人が笑っていれば、それだけで幸せなんだから。
「いただきます!」
きっと今から、おかずの争奪戦が始まるだろうけど。
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家族神起が大好きなので
この作品を気に入って頂けると私も嬉しいです。