私は病院に行かず、久々に子供たちと夕飯を食べた。
主人に電話をしてもでない。
電話をかけてもでないのはしょっちゅうあるから、明日朝また電話することした。

寝ようとしても寝れない。
すると夜中1時頃かな。病院から電話。出血したけど、止まりました。いますぐどうこうじゃないから安心してください。念のため電話しただけです。と。
泊まれないから、何かあったら電話してと頼んでおいたからそれでかな?と思った。
でも気になった。
出血には慣れてしまったから 今更驚かないけど、何か不安があった。
全く寝れず朝になった。
その日は仕事に行って夕方病院にいくつもりでいた。
子供たちを学校に送り出し、私も家を出た。
仕事には行かず、病院に向かった。なんでかわかんないけど仕事に行ってはいけない気がした。
病院へ向かわなくちゃいけない気がした。
主人は電話にでない。
痛いのかな。どしたのかな。といつも以上に心配した。

病棟へ。
いつもいる看護師さんがいた。
私を止めて、良かった!奥さん来た!って。
えっ⁉︎なんで⁉︎昨日きてないから⁉︎

痛みが強くて麻酔系の痛み止めを飲んでます。
初めてだからクラクラしてるからね。と。

そうなのか、と。
話をなんとなく聞いて主人の病室へ。
4人部屋のベッドで鼻から血の後をつけたままの主人がうずくまっでた。
ひどくない?
1番最初に思った。
血の後もつけたままで、1人ベッドに。
布団も半分しかかけてない。
なぜか電気毛布がベッドにあった。
暑がりなのになんで?

主人は寝ていたから私は足をさすっていた。
主人は薬でもうろうとしていたけど、私に気づいてニコッて笑った。でもすぐ目を閉じた。
寝ちゃったなぁ〜って思ったら、きた。

主人もくるのがわかって飛び起きた。
鼻から出血。
勢いがあった。私は叫んだ。誰かきてください‼️って叫んだ。
看護師さんがきて、一緒に止血しても止まらない。止血といっても鼻にガーゼを強くあてるだけしか方法がないので自然に止まるのを待つ。
私は主人に落ちついて欲しくて背中をさすって大丈夫だよ。大丈夫だよ。それしか言えなかった。
車椅子に乗せられ、処置室へ。

15分くらいして、なんとか止まった。
私は震えて泣いてオロオロしてた。
当番の先生が、とりあえず止まったけど、次出たらどうかな〜。って私の存在に気づかなかったようで話し声が聞こえた。
意味がわからなかった。
車椅子に乗った主人が呆然とした顔つきで処置室から出てきた。
止まって良かった。ホッとした。

ベッドへ戻り横になろうとした。
また出血。
再び処置室へ。
なんでだ。勢いが止まらない。どうしたの?
パニックだった。

すると看護師さんが 部屋を個室に移します‼️
と、私に話してきたと同時にお掃除をしてくれるスタッフの方々が素早く主人のベッドへ向かう。
私は何かしたくて、一緒に移動を手伝った。

さっきより早く主人が処置室から戻ってこれた。 
あ〜良かった。と思いながら主人をみたら瞳の色が違う色。茶色に見えた。頭をぐったり下げていた。
沢山血が出てしまい貧血気味だよね。
パジャマに血がついちゃったね。新しいの用意するからね。なんて話をしようとしてた。

若い看護師さんと私で主人を車椅子からベッドに戻るのを見守った。
主人は自分のを力で車椅子を降りてベッドに寝れていた。
すると、主人が 寒い。と一言。
あれ?熱かな?なんて話をしながら体温計を脇にはさんだ。すると、どんどん温度が上がっていってなにこれ?と話しているうちにまた出血。
口からも。
ナースコールをした。

処置室いこう‼️って看護師さんと二人で主人を車椅子に乗せた。主人が座った。
私の左腕をいきなりつかんだ。
どした⁉︎と主人をみた。

主人は動かない。こっちを見てって叫んでも、こっちを見てくれない。
車椅子から滑り落ちていく。
看護師さんはおかしいよ、おかしいよ。って叫んでた。
脱力している主人をベッドに寝かせた。
私は主人の名前を叫んでた。


主人は旅立ってしまった。
先生、看護師さん、皆さんが最期まで色々やってくださった。

主人は私を呼んでいた。そう思う。話せなかったけど想いが通じたんだ。
絶対そう。


女性の若い先生がいらっしゃって、その先生を主人は信頼してた。色々話を聞いてくれるんだよと話していた。

身体を拭く時にその女性の先生がきた。
何か看護師さんに指示するの為にきたのかなと思ったら、一緒に身体を拭いてくれた。
嬉しかった。
看護師さん達が感じた主人の話をしてくれた。
皆んなで主人を綺麗にしてくれた。

主人の治療に携わった先生が皆さんきてくれた。
でも、ボスの先生はこなかった。
ボトリエントを処方し、主人の治療をトップで指示していたボスはこなかった。
カウンセラーは ボスは外来が忙しいみたいで
と 様子を察して私に話してきた。

嘘つくなよ。

って本気でいいたかった。

逃げてるようにしか私は感じられなかった。
お世話になりました。っていう気持ちなんてなくなった。

主人は戦争ものが好きで、本や映画などよく見ていた。
主人は特攻隊みたいに行ってしまったな。って思った。

あの日を思い出すのは つらいですね。
平成28年10月5日。