私は、糞っ垂れパニクリ病である。
 神奈川県で拡張員を遣ってる頃、東急東横線の日吉で仕事をした後日吉の居酒屋で飲んだ。
 多分、競輪で儲かったので若い奴らにおごって遣ったんだと思う。
その頃横浜の反町に住んでいて、帰りの電車の中で下痢をした。
 下痢の原因は居酒屋で食べたアジのたたき。
 食べたとき変だと思ったが酔った勢いで全部食ってしまった。
で、帰りに乗った電車がなんかのトラブルで駅ではないところで停まってしまったので御座います。

 「や、やばい!」

と、思うも電車は動かない。
 糞が漏れそうだ。
・・・。
 必死にこらえて生きた心地もしませんでした。
ギリギリ漏らしませんでしたが、この事がトラウマとなり電車に乗るのが怖くなった。
 下痢は暫く続きまして4日目には住んでる近くの病院に行きました。
すると先生が、

 「この下痢は神経からきてますね」

と言われたが、

 「嘘だ、日吉で食ったアジのたたきのせいだ」

と、私は勝手に思い込みその後病院へは行きませんでした。
この10年後ぐらいに(パニック病)なる病気があることを知って、なるほどなと思った。
 58にもなろうかとゆう今でも電車に乗るのが怖い。
が、免許も車も持っていない私としては遠くへ出かけるときの移動手段は電車に乗るしかないので我慢して乗るっきゃねぇんですがね。
そうゆうわけで、電車に乗ったときは恐怖心を忘れるべく頭の中で数字を数える。
ドアが閉まり、電車が動き出して駅から駅までの間頭の中で数字を数え続けるので御座います。
 頭の中で、1・2・3、と数えていく。
 数を数えるのに集中すると恐怖心は忘れられる。
が、途中で電車が急に速度を落としてノロノロ走ったりしようものなら心臓はバクバクしだし、停まろうものならもう頭はパニック!
 目的地に着いた頃にはヘトヘト。
・・・。

 私が千葉県市川市の本八幡っちゅう所の駅の近くに住んで、1日1R勝負の車券で飯を食らってるときだった。
 或る日、京王閣で勝負Rを見つけた。
が、この日は何故かお腹の調子が悪かった。
 京王閣までは各駅停車で1時間半ぐらいかかるので悩んだ。
も、お仕事なのだからと出かけたので御座います。
 途中で駅のトイレに降りるつもりで余裕を持って出かけたが、どうゆうわけか笹塚で特急列車に乗り換えなければ勝負Rに間に合わない時間となってしまった。
 万事休すである。
 頭はパニック状態。
 特急列車は停まる駅が少ないため電車に閉じ込められてる時間が長いので怖いのである。
が、このまま普通列車で行ったら間に合わない。

 (糞っ垂れのジレンマ)

で、御座いますw~!

・・・。
 迷いに迷ったがとうとう特急列車に乗る勇気が出ず、間に合わないと解っていながらも各駅停車に乗り続け、京王閣へ着いたときには勝負レースは終わっていた。
そして、買わなきゃ当たる。
 配当は330円だった。
・・・。
 勝負Rに間に合わなかったのだから遣らずに帰れば良いものを、この後のレースに参加して結局帰りはスッテンテン。
この時ほど、糞っ垂れ病を恨んだことは無い。
これぞまさしく、

 「糞っ垂れ~!」