もう一本サスペンスを、思ったものの…盲目のストリート・ミュージシャンが身近に恐怖の連続猟奇殺人鬼の息吹を感じたことから始まる恐怖を描いた(つもりの)サスペンス・スリラー…「瞳の奥の殺人者」

 

冬のソウル。連続猟奇殺人鬼は、獲物を天井から吊るして窒息させて包丁で刺すという残酷な手口で犯罪を繰り返している。雪まじりの霙が降る中、ソウル警察強力係オ・ドック刑事は遺体発見現場に向かう。被害者は女性で胸のところで手を結束され、壁には赤い十字が描かれている。地下街では、盲目のストリート・ミュージシャン、キム・ヒョンスが歌を歌っている。イケメンで歌も上手くコアなファンも贈り物も多い。休憩中、隣に知らない男が座る。そして自分の犯した殺人を自慢げに話しだす。ヒョンスが驚いていると、俺が書いている小説の中での話だ、と笑って去っていく。そんなヒョンスの前に、熱心なファンの女子高生ミリムがいつものようにやって来る。ミリムは、良くヒョンスの歌を聞きに来ていた酔っ払いの女性が首を絞められ包丁で刺され殺されたと言う。こうして若い二人に連続殺人鬼の足音が近づいてくる…

 

盲目のストリート・ミュージシャン、キム・ヒョンスに、ボーイズグループ<B1A4>のメインラッパーだというバロ、父親のDVと殺人鬼の恐怖に苦しむ女子高生パク・ミリムに、「非常宣言」で見た筈さらに次作では主演を張る大塚寧々に似た相当な美形ソル・イナ、ソウル警察強力係オ・ドック刑事に、余りに出演作が多いお馴染みチョ・ヨンジン、小説家を名乗る怪しげなイ・チュンスに、端役で見た筈のイ・ハンジョン。特別出演では、オ刑事の後輩で上司のチーム長に、こちらも超お馴染みイ・チョルミン。

 

(以下、いつもに増して中身のない感想なので読むに値しないと思われます)

 

大昔から映画を観たら24時間内に感想を書くことにしてましたが、今回は2晩を経ても書く気にならない、それほど面白い、のではなく、散漫な印象しか残らない、そんな作品です。盲目のミュージシャンとベラボーに可愛い女子高生が残虐な殺人鬼に追われる、というそれなりのサスペンス展開ですが、胸キュン物がピッタリな主人公二人のイチャイチャ感と、現実感に乏しい連続殺人のゾワゾワ感が、絶妙に打ち消し合っていて印象が残らない、という辺りが真相なのかもしれません。ヒーローの盲目の秘密とかヒロインのDV悲劇とかも描かれてはいるものの、それが物語として全く響いてこない、というのもかなり稀な体験だといえるでしょう。相当な美形ソル・イナにお得感がありはするものの、チョ・ヨンジン、イ・チョルミンというお馴染みベテラン陣の顔が出てくるとホッとする、というのも切ない限り、といった感じです。

 

“B1A4”バロ主演の極上サスペンス、とかのキャッチもありますが、そんな風に感じる観客もいらっしゃるんだろうな、羨ましいな、そういった感じの映画でした。殆ど、観ました、というだけの記録で書いてて疲れます。