ビジュアル系ガールズグループ<T-ara>ファヨン主演と聞いたんですが、感想を残すのが余りにも難しい…脚本家を目指す白手(ペクス:プータロー)娘がアパート階上からの物音に悩み、男友達の助けを借りて調べ始めるが、ってなお話…「間の音」

 

江原道トギャン(徳陽)市(ブログ注:架空)、プヨン第5団地507棟。401号室では、シナリオ作家を目指す白手ウンスは夜昼を問わずシナリオのテーマ探しに苦闘しているが、ここ一か月ほど上の階から時折聞こえる”ドンドン”という物音に悩んでいる。今日も箒の棒で天井を叩き返すが音はなかなか止まない。携帯電話料金の督促状も来てイライラは募るばかりだ。真上501号室の郵便受けを覗くと”チョン・ホギョン”という男のようだ。喫茶店に逃げ出しパソコンに向かうが、シナリオ・コンクールの受賞も逃し、顔を見せた男友達チソンにもバカにされ、ますます落ち込む。かつていくつかのシナリオ賞を獲ったことがますます気を重くさせる。そんな時、シナリオ・スクール仲間から”身近な物事にこそシナリオのネタがある”と聞き、あの”チョン・ホギョン”を調べてみようと思い立つ。こうしてウンスのとんでもない体験が始まるのだ…

 

401号室で両親・姉と暮らすシナリオ作家を目指すウンスに、ビジュアル系ガールズグループ<T-ara>元メンバー美形リュ・ファヨン、501号室の謎の男チョン・ホギョンに、「オー! ムニ」など韓国映画に欠かせない独特の愛嬌を見せる名脇役パク・チヌ、ウンスの男友達チソンに、端役では見た筈のチョン・ドンフン、釣り堀の主に、お馴染み脇役イ・サンヒ。

 

感想の残し方にとことん悩む作品です。上に書いた冒頭部分から映画のほぼ中間点まで、ヒロイン、ウンスのストーカーまがいの階上男調べが続くのですが、一体この映画が何処に向かっているのかさっぱり分からない、というとんでもない作りのためです。その部分に様々な伏線が敷き詰められているのは理解できるのですが、腕の良い脚本家なら、この先、コメディ・スリラー・人情噺など、どのジャンルでも一本の映画に仕上げることが出来ると想像されます。そして、この前半を楽しむためには、この作品が何ジャンルの映画か、については書かない方が賢明だと思いいたりました。何映画?と悩むのも映画の楽しみ方の一つでしょう。観ながら各自お悩みください。ただ、話の収め方はそれなりに巧い、とは思われます。もう一つの特徴は、物語がほぼ全編ヒロイン、ウンスの一人称視点で描かれていることです。若干第三者の回想シーンなどもありますが、つまり、ほぼ9割のシーンにリュ・ファヨンが登場するということになります。それはそれでユニークな映画体験だといえなくもないと思います。

 

要するに、フラフラした前半の長さが、この映画の魅力でもあり致命傷でもあって、はっきりと観客の評価を分けることになると想像されます。ということで、何の映画かは書きませんが、ファヨンの少しパク・シネに似た美貌を存分に堪能できることだけは保証できる、という感想です。フーッ…

 

全くどうでも良い備忘録。ファヨンは<T-ara>のメンバーですが、彼女の一卵性双子の妹リュ・ヒョヨンは3曲ほどで消えたガールズグループ<F-ve Dolls>のメンバーで全く見分けがつきません。双子ついでにいえば、大ファンだった<Crayon Pop>では共にメンバーのチョアとウェイが一卵性双子だったりします。確かに、全くどうでも良いことでした…