妙に愛着を感じるアン・ジェホンつながりで…おいおい、こんな設定の映画で122万人を集めたって?! ハチャメチャ着ぐるみ動物園コメディ…「シークレット・ジョブ」

 

JHローファームの司法修習生カン・テス弁護士は、今日も株価操作で拘留中の財閥ラグォン(楽園)グループ御曹司の世話係として頭を下げてばかりだ。そんなテスに、JHファン代表は、1ウォンで買収した倒産した動物園トンサンパークの再生を命じる。リゾート開発を企むラグォン(楽園)に高値で転売するためだ。テスが新園長として動物園に向かうと、次々と大型動物が運び出されている。債務の取り立てだ。しかも職員で残っているのは元園長を始めたった4人だ。ワシントン条約のため動物入手も時間がかかり頭を抱えるテスだが、当座、着ぐるみ偽動物で集客することを思いつくが…

 

弁護士修習生カン・テスに、アン・ジェホン、トンサンパーク獣医ハン・ソウォン(ライオン担当)に、「40minutes」「サニー」が印象的な美形カン・ソラ、ソ元園長(白熊担当)に、80年代から活躍する笑える重鎮パク・ヨンギュ、キム課長(ゴリラ担当)に、「少女は悪魔を待ちわびて」の狂った殺人鬼役からは想像もつかないお笑い演技キム・ソンオ、可愛いヘギョン(ナマケモノ担当)に、「楽園の夜」では主演チョン・ヨビン、カン・テスの上司ファン代表に、お馴染みパク・ヒョックォン、そのオ秘書に、最近存在感上り坂ソ・ヒョヌ。特別出演では、ラグォン(楽園)グループのミン常務に、尊敬するあの名女優ハン・イェリ、着ぐるみ制作会社コ社長に、いつも笑えるキム・ギチョン。

 

キャッチを見た時てっきり着ぐるみを売りにした動物園ネタかと思いきや、何と本物の動物に見せかけて来園者を騙す方向に進むのを見て、こんな脚本ありか!、と絶句した次第です。ところが、映画は観てみないと分かりません。演者たちが嫌々ながら、そして次第に必死で動物になりきろうとする様子を見て、シュールが過ぎるとは頭で考えながらも、ドラマに入り込んでいく次第です。そういや、チャプリンが古靴一個をディナーにしちゃうみたいなもんだ、とか思ったりします。5人ともに良いんですが、妙に哀れを催す白熊担当パク・ヨンギュと単にぶら下がっているだけなのに大丈夫か?と心配させるナマケモノ担当チョン・ヨビンがお気に入りです。そして勿論、新園長を演じるアン・ジェヒョンの飲み屋の隣に座っているような生々しさが物語にシュールながらもリアリティを与えているんだと感じます。巧い役者です。

 

当然ながら、こんな風に感じる観客はごく少数派なんだろう、と思われるので、お薦めしているつもりは全くありません。ビジュアル的には地味な配役でもありますし、観る観ないには熟慮が必要でしょう。