ムン・ソリが出てきたので、5年前からずっと気になっていた…「ヴィーナス・トーク~官能の法則~」

 

恥ずかしながら、本日の感想は【R18】とレイティングされていますので、ご注意ください。

 

シングルマザーのヘヨンは、娘スジョンと官能ドラマを観ている。そこへ、ヘヨンの家具職人の彼氏ソンジェから電話がある。そして、ソンジェの狭い車の中で二人は難しい姿勢と格闘する。ケーブルTV局。やり手チーフ、シネは、上司で5年越しの恋人イ局長に食ってかかる。彼が26歳の部下を妊娠させ結婚するというのだ。息子が海外留学中の専業主婦ミヨンは、メードのコスプレ姿で夫チェホを呼ぶ。チェホは隠れて精力剤を飲んでいる。週三回が結婚時の約束だという。朝、ヘヨンのパン屋にシネ、ミヨンが集まる。三人は親友なのだ。話題は、彼氏、結婚、下半身ばかりだ。ヘヨンは、家にスジョンのボーイフレンドを招き、蟹鍋を奮発する。二人を結婚させ追い出し、ソンジェと暮らしたいホンネがミエミエだ。TV局では、シネがお色気番組の露出が足りないと現場を怒鳴りつけている。そして飲み会でも荒れ、勢いで若いPDと一夜を共にしてしまう。こうして三人は、四十代の荒波に漕ぎ出してしまったのだ…

 

ケーブルTV局チーフ、シネに、オム・ジョンファ【公開当時45歳】、専業主婦ミヨンに、ムン・ソリ【40歳】、パン屋を営むシングルマザーのヘヨンに、キム・ギドク「嘆きのピエタ」が圧巻チョ・ミンス【49歳】、ヘヨンの恋人でずっと丁寧体で会話する家具職人ソンジェに、今回は丸刈りがカッコいい渋いイ・ギョンヨン、ミヨンの夫でバイアグラの手放せない給油所社長チェホに、最近は主演映画が目白押しイ・ソンミン、若いPDヒョンスンに、肉体派二枚目イ・ジェユン、小生意気なヘヨンの娘スジョンに、主演作もある巧いチョン・ヘジン、シネの元恋人イ局長に、個人的にはチェ・ミョンスの方がなじみ深い名脇役チェ・ムソン、番組制作社パク代表に、『冬ソナ』からの大ファン、クォン・ヘヒョ。特別出演では、ミヨンの別荘の隣人に、彼女がミドルティーンの頃から聞いているボア(BoA)。

 

AVが赤面して逃げ出しそうに扇情的な濡れ場、文字起こしすれば逮捕されそうな単語の並ぶ会話、これらが必要だったのか、というのが鑑賞後の第一感です。結局は、予定調和的なちょっと切ないところもあるロマコメを三本観たんだよな、という感じです。赤裸々な下半身の本音を描くなら、「ガールフレンズ」「フェスティバル」なんかの方が映画的に印象的だったりします。

 

単独主演で映画が十本は作れるであろう重厚な俳優陣を考えると、期待値にはかなり及ばないでしょう。但し、三人の女優が集まって罵り合い、励まし合う女子会のシーンが、パン屋、クラブ、別荘など数回ありますが、その絶妙な会話劇の質は圧巻です。それだけで充分、と思われる観客が多いとは思えませんが…

 

楽曲についてメモ。ヘヨンが店を再開した時の曲は、パク・ハッキ(박학기)「まだ僕の胸の中には君が生きている(아직 내 가슴속엔 니가 살아)」、エンディングテーマは、パク・キヨン(박기영)「Good Afternoon」。どちらも良い曲です。