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ちょっと雑談…先週29日のミュージック・バンクでは、やはり"ヨジャチング(GFriend)"の新曲が二連勝でした。ただ不思議なのは、BEST20曲の中に、"ヨジャチング(GFriend)"が2曲(3曲目、4曲目)入り、しかも、"Twice"も2曲(デビュー曲、2曲目)ランクインしていることです。この二つのガールズグループが爆発的人気を維持するんでしょうか。"ヨジャチング(GFriend)"が1位を争った老舗"Wondergirls"の新曲「Why So Lonely」もカリプソ風味の目茶カッコイイ曲で、ベテランも頑張ってはいるんですが…

さて、一応カウンター上ではめでたい千本目の感想なので、正しいのかざっと確認してみましたが、映画の感想記事としては999本目、観た韓国映画の本数的には千二本目ではないかと思われます。まぁ、元々テキトーな「多分」カウンターで、そんなにこだわる必要もなかろうとは思いますが、取り敢えず、韓国映画界で最も尊敬する役者の作品を選びました…「西部戦線 (邦題:西部戦線1953)」。

「1950年6月25日、北朝鮮の侵攻で朝鮮戦争が始まった。たった三日でソウルを奪われ、三カ月で取り戻したが、三年が経っても戦争は続いている」…休戦も間近な1953年7月。韓国軍伝令隊チャン・ナムボクは、一級秘密作戦文書を、決められた場所へ決められた時間に届けろと命じられる。北の人民軍、第369戦車部隊の戦列が再び攻め込むべく田舎道を南に進むが、若い砲士キム・ヨングァンが乗る人民軍T-34タンクが煙を上げてエンストする。乗組員たちは隊列を外れ、修理にかかる。一方、ナムボクの所属する伝令隊は野原を行軍するが、そこを森に潜む北の部隊が急襲、部隊は壊滅状態だ。一人になって逃げまどうナムボクは、失えば銃殺という秘密文書を戦闘の中で見失ってしまう。一方、ヨングァンの所属する戦車部隊には、連合軍の戦闘機F51マスタング編隊が襲いかかり、彼の部隊もほぼ壊滅だ。同じく一人となったヨングァンは、修理中の戦車に逃げ戻る途中、ナムボクが失った秘密文書を見つける。秘密文書を抱えて何とか戦車に戻るが、乗組員たちは息絶えている。戦車の運転ができないヨングァンには、守らなければ銃殺だという戦車が一台残る。そこへナムボクが現れ、二人の戦闘が始まるが、的外れな射撃、安全ピンを外していない手榴弾が飛び交うばかりだ。ヨングァンが戦車に逃げ込み、ナムボクは攻めあぐねる。秘密文書と一台の戦車を巡る、二人だけの戦争は始まったばかりだ…

韓国軍伝令隊チャン・ナムボクに、韓国映画界最高の名優ソル・ギョング、人民軍戦車部隊の若い砲士キム・ヨングァンに、97年生まれなのでまだ十代「ファイ:怪物を飲み込んだ子供 (邦題:ファイ:悪魔に育てられた少年)」で強烈な演技を見せた子役出身の演技派若手ヨ・ジング、韓国軍砲撃隊ユ中領(≒中佐)に、名演の続く渋いイ・ギョンヨン、ナムボクの上官に、驚くべき出演作数を誇る名脇役チョン・インギ、ヨングァンの上官に、個性派脇役キム・ウォネ、村の酔いどれに、お馴染みチョ・ヒボン。

笑える戦争コメディや度派手な戦争アクションを期待するならば、多くの観客が失望すると思われます。本国での集客も60万人どまりなので、ヒットと云うのは難しいでしょう。はっきり云えば、ギャグが行き過ぎることも多く、CGを使ったスペクタクル場面の質も決して高いとは云えません。しかしながら、1953年7月27日10時00分の朝鮮戦争休戦に向かって、ややゴツゴツしたギャグやアクションの流れに身を任せて観ていくと、終盤で、朝鮮戦争や南北分断を題材にして共に五つ星「トンマッコルへようこそ」「出会いの広場 (邦題:チョンソルリへようこそ)」のような極めて優れた戦争ファンタジー(幻想劇)と観る事もできるでしょう。監督は娯楽巨編「7級公務員」「海賊:海へ行った山賊 (邦題:パイレーツ)」の脚本を書いたチョン・ソンイルで、観客を楽しませる腕は一流なんですが、ギャグ、アクション、切ないファンタジーの配分が上手くいっているかどうかは、観客によって相当に評価が分かれると思われます。役者は、さすがに、超一級品です。ソル・ギョングは、生まれた赤ん坊に名前を付ける間もなく徴兵された庶民の悲哀を演じて圧巻ですし、ソル・ギョングとの二人芝居を堂々と演じる若いヨ・ジングは、その将来性に凄まじいものを感じる演技だと思います。個人的には、イ・ギョンヨンです。実は途中まで何のための役柄か良く理解できなかったんですが、エンディング近くの狂的とも云える熱演で、なるほどやはりこの役はイ・ギョンヨンだ、と納得の存在感です。

序盤から中盤にかけての出来ばえでは、個人的には、五つ星には足らないという感じですが、深い感慨をもたらす戦争ファンタジーとして記憶に残る名篇だと思います。今日にでも、邦盤DVD/BDがリリースされるようなので、もしご興味があれば、余り期待し過ぎない範囲でお試しください。