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エロネタつながりで、実在した朝鮮時代の悲劇の女性オウドン(於于同)を、世界的名優アン・ソンギ、イ・ボヒ主演1985年版「オウドン(邦題:哀恋記)」に続いて、新たに描き直したエロ・メロ時代劇「オウドン(於于同) 朝鮮宮廷スキャンダル (原題:オウドン(於于同):持ち主のない花)」(어우동:주인 없는 꽃)。

キーセン(妓生)館キルガク(妓楼閣)では、時の王ソンジョン(成宗)の叔父にあたる王族でテガンス(泰江守)イ・ドンが取り巻きを連れて飲んでいる。彼らの前では、美しい妓女二人が舞い、一枚ずつ衣を脱いでいく。話題は、都で一番美しいと評判の娘、重臣パク参判(チャムパン)の娘ヘインだ。目が潰れそうに美しいが、教養が高く身持ちも堅いと言う。取り巻きたちは、泰江守がヘインを籠絡できるかで賭をする…1979年(成宗10年)。美しい ヘインを一目見ようと男たちが列をなすパク家では、パク参判が娘ヘインに、きっと良い婿を見つけると約束している。宮殿では、泰江守がパク参判に声をかけ、さらに、甥である王に何やら頼みごとをする。一方パク家では、下流官吏ムゴンが簀巻きにされ折檻されている。パク参判に幼馴染みヘインとの結婚の許しを得ようとしたのだ。ムゴンは屋敷を追放される。入れ代わりに、泰江守がやって来る。泰江守は、パク参判にチャミ(参議)への昇進を餌に、自らとヘインの縁談を申し出る。一年が過ぎ、明国からムゴンが帰ってきて、ヘインに土産として美しい簪を贈る。ある日、パク参判が娘ヘインの部屋を訪れ、泰江守が馬での遠出をしようと迎えに来たと伝える。二人は馬に乗り森に向かうが、その様子をムゴンが見つめている。川辺で泰江守は美しい詩を詠み、妻に迎えたいとヘインに申し出る。やがてヘインは、ムゴンへの思いを絶ち、泰江守に嫁ぐ決心をし、盛大な婚礼が催される。しかし、ヘインの新婚生活は、まもなく悲惨なものとなる。泰江守は夜毎キルガク(妓楼閣)に通い、新妻との秘め事を吹聴し、こともあろうに妓女を屋敷に連れ帰りヘインの目の前で睦み合うのだ。ヘインはやがてある決心をするが…

王族でテガンス(泰江守)イ・ドンに、準主役級の脇役で芸達者ペク・トビン、重臣パク参判(チャムパン)の娘ヘインに、下半身系青春ドラマ「夢精期2 (邦題:高校教師 恋の教育実習)」女子高校生役オーディションでデビューした絶世の美少女もすっかり女盛りソン・ウンチェ(カン・ウンビより改名)、下流官吏ムゴンに、「霜花店」の二枚目ヨ・ウッカン、ヘインの父パク参判(チャムパン)に、ミュージカルが本職の渋いナム・ギョンウプ、時の王ソンジョン(成宗)に、これが映画デビューらしいユ・ジャンヨン。

最近「姦臣 (邦題:背徳の王宮)」を見ちゃったので、エロさ加減でいえば、ロッシーニ・ステーキとお子様ランチほどの違いは歴然、その意味でのお得感は全くないでしょう。だからと云って、面白くなかったかと云えば、そうでもないんです。理由は二つ。一つは、1985年版「オウドン」を観てないので、オウドンの物語を全く知らず、これが結構スリリングなためです。絶世の美女が良家に嫁ぎながら離縁、謎の売れっ子妓生として男たちに復讐する、という物語は相当にドラマチックです。第二に、主演ソン・ウンチェの魅力があるでしょう。露出はそんなに激しくないのですが、そのバービー人形のように可憐な容姿と、妖艶な妓生のイメージ・ギャップは、結構中毒性があるように感じます。次回作が相当に楽しみだったりします。

さはさりながら、全体としてのチープ感はいかんともしがたく、役者陣の手薄さもあって、おおっぴらに高く評価するのは難しいでしょう。既に邦版DVDが出ていますが、ちゃんとした時代絵巻や、ちゃんとしたエロを期待するならば、落胆する確率は相当に高いでしょう。微妙なキワモノがお好きでなければ、旧作100円の時を待つのが得策なのかもしれません。

ちなみに、1985年版「オウドン」は、YouTubeで"어우동 Eoh Wu-dong (1985) "として英語字幕付きで全編公式公開されています。こちらは一見の価値があるかもしれません。