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今日は、このブログを書き始めて7周年。別に無理して続けている訳ではないので、特に感慨はありませんが、観た映画の感想が残っていくのは、個人的にはそれなりに役に立っています。気が向く限りは続けるんだと思います。

作品は、オ・ダルスつながりでもあり、史上2位1300万人を集めた超ヒット作、「泥棒たち (邦題:10人の泥棒たち)」。

イソン画廊。金持ちの母娘に化けたシプトンコム(チューインガム)とイェ・ニコルが館長を訪れるが、ここの館長は、イェ・ニコルが数カ月かけてたらし込んでいる。館長は母親役シプトンコムをプライベートな金庫室へ案内することになり、事務所に一人残ったイェ・ニコルは、服を脱ぎ捨てラバースーツ姿になり無線でOKを伝える。屋上では、ポパイとチャムパノがワイヤを事務所の窓際に打ち出す。ニコルはワイヤを繋いでビルの外に飛び出し、屋上に登り、送風口から金庫室に向かう。金庫室では、シプトンコムがこっそり金庫の番号を盗み見してそれを記録したレコーダーを隠し、赤外線センサーをチューインガムで塞ぐ。イェ・ニコルは天井から侵入、楽々金庫室に入り込み、高価な香器を偽物にすり替える。やがて、金庫室のアラームが鳴り、香器がすり替えられたこともバレる。画廊を出ようとするシプトンコムたちは身体検査を受けるが、何も見つからない。ワイヤに吊るされた香器は、ポパイが受け取り、自転車で逃げたのだ…ポパイたちが隠れ家で盗品の売り上げを分けているが、次の仕事は、ポパイの元相棒マカオ・パクが仕組んだ大仕事らしい。ポパイの元相棒ペプシが仮釈放され、イェ・ニコルが車で迎えに行くが、初対面の二人は肌が合わないようだ…香港。ある宝石店に通報で警官隊が駆けつける。店の様子は変わった様子はない。警官隊が去ると、店の主人に化けたチェンと店員を銃で脅していたアンドリュー、ジョニーの三人は現金だけ持ち去る。とある中華料理店。中国人グループ、チェンら三人と金庫破りのジェニーが来ている。そこへ、韓国人グループ、ポパイ、イェ・ニコル、チャムパノが現れる。双方は敵意と不信をむき出しにする。7人が集まった所へ、マカオ・パクが現れる。仕事は、東京の展示会で盗まれた30億円のダイヤ「太陽の涙」だ。大物密売屋ウェイ・ホンの女ティファニーが持っている。ポパイは、別室に控えていたシプトンコムとペプシを紹介するが、マカオ・パクは気分を害した様子だ。ペプシと何か過去の因縁があるらしい。「太陽の涙」が闇で20億円の価値があると知り、結局、全員が参加する…マカオ。お互いに秘密や思惑を抱え、到底チームワークなんぞ望めそうもない10人の泥棒たちが到着し、そして、大仕事に動き出す。しかし盗み出せたとして、彼らの内、誰が、末永く幸せに暮らせるんだろうか…

【韓国人グループ】伝説の大物泥棒マカオ・パクに、とにかく主演する作品は「まずは500万人」みたいに大ヒットするこれまた伝説的なキム・ユンソク、妖艶なペプシに、その色っぽさに目が眩むキム・ヘス、軽薄なポパイに、最近では「下女(邦題:ハウスメイド)」での強烈な演技が印象的なイ・ジョンジェ、蓮っ葉なイェ・ニコルに、「猟奇的な彼女」以降その演技力は底知らずのチョン・ジヒョン、ベテラン詐欺師シプトンコムに、これまた恐るべき存在感キム・ヘスク、若手チャムパノに、本作唯一の二枚目キム・スヒョン、【中国人グループ】老獪なチェンに、「黒社会」などジョニー・トー監督作品常連サイモン・ヤム、実は韓国人のアンドリューに、お馴染み大好きなオ・ダルス、謎の金庫破りジュリーに、画期的なホラー「The Eye」のアンジェリカ・リー、若手ジョニーに、監督もこなすチュン・グクサンことデレク・ツァン、【その他】韓国警察刑事に、脇役の方のチュ・ジンモ、特別出演では、画廊館長に、これまた超実力派シン・ハギュン。

勿論、韓国版の「オーシャンズ11」ってとこなんでしょうが、確かにもの凄くお洒落でもありながら、やはり、アジアン・テイストというか、コリアン・テイストが濃厚な作品に仕上がっていると思います。腹に一物を持った10人の泥棒たちが繰り広げる物語は、史上2位1300万人を集めるだけのクオリティがあって、壮大なダイヤ略奪作戦に、過去の因縁や愛憎関係が縦横無尽に絡んでいくシナリオは絶賛に値するでしょう。さらに、「犯罪の再構成(邦題:ビッグ・スウィンドル!)」「タチャ」「チョヌチ」など名作クライム・アクションを送り続けたチェ・ドンフン監督が、香港・マカオ・釜山を舞台に、韓国語・中国語・英語・日本語を駆使して展開する演出も見事でしょう。キム・ヘスの金庫破りのシーンとか、チョン・ジヒョンがビルの壁を駆け回るシーンなんか実にビジュアルです。とはいっても、やはり役者たちです。韓国人俳優だけでも、悠々単独主演できる名優を6人も集めるその贅沢さは信じられません。特に、二度と見られないかもしれない俳優同士の丁々発止のやりとりは殆ど夢見心地です。キム・ヘスクとチョン・ジニョンの漫才、チョン・ジニョンとキム・ヘスの火花散る反目、イ・ジョンジェとキム・ユンシクの因縁対決、キム・ヘスとキム・ヘスク(この二人は『愛の群像』で共演してたと思いますが)の掛け合い…恐らくこれらを観るだけで、十分過ぎるくらい元が取れると思えます。

もし群像劇風に捉えるとすれば、10人全ての行く末をきちんと書くのが鉄則なんですが、そこを若干省いているので、それだけの理由で五つ星にはしませんが、クオリティとしては、100%五つ星でしょう。6月に日本でも公開されるようですが、お気に入りの俳優が一人でも出てるなら、観ない手はないと思います。

印象に残った会話。ちょっとお下品ですが日本語での会話なので…キム・ヘスク(キム・ヘスではありません!)「正直、10年以上もやってないわ」サイモン・ヤム「10年ぶりにやりましょう」。でも、このシーン、好き嫌いは分かれるでしょうね…