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仕事始めでバタバタしてて間が開きましたが、「韓国映画クラシック・コレクション」に戻るのは少し置いて、キム・ドンウクつながりで、「甘いウソ」。

10年前、高校生だったチホは、満開の桜の下、自転車でぶつかってきた長身イケメンのミヌに一目惚れするが、思いを告げられないまま、卒業する。現在、30歳目前、まだミヌへの初恋が忘れられないチホは、カバンをひったくられ、その犯人を追っている内に、自動車にぶつかるが、その運転手は、何と、あの憧れのミヌ。彼に病院へ連れて行って貰うが、自分を覚えていない彼を見て、思わず記憶喪失のフリをしてしまう。身許の分からない彼女を、ミヌはイヤイヤ自宅に連れて帰るが、両親は急用でカナダへ旅立ち不在。大豪邸での、二人きりの生活が始まり、チホは、初恋イケメン照明デザイナーを得ようと、必死の演技を続ける。一方、行方不明になったチホを、幼馴染みの下着ショップ店長トンシクが必死で探していた…

売れない放送作家チホに、独特の美貌を持つ大ファンのパク・チニ、下着ショップ店長トンシクに、恐らく初めてのロマコメ演技二枚目チョ・ハンソン、初恋の相手ミヌに、実際190cmイケメンのイ・ギウ、チホの弟に、「国家代表」キム・ドンウク、チホの親友に、キュートなチェ・ウンジュ、チホの同僚PDに、笑えるキム・グァンギュ、トンシクの母親に、TVでお馴染みヤン・ヒギョン。特別出演では、ミヌの初恋相手に、何とあのキム・ソナ。

TVドラマでお馴染みの「記憶喪失」を逆手に取った、爆笑ロマコメです。ただ、ちょっと癖があるので、万人に受けるかどうかはかなり微妙でしょう。とにかく、パク・チニの演技に全てがかかります。冒頭、泥酔して涎を垂らす驚きのオープニングから、書く台本は時報やクロージングほどにも視聴率が取れない、初恋を引きずる大酒飲みの放送作家が、この物語を引っ張ることになります。時には、玉の輿狙いのブリッコ良妻賢母であり、時には、下品な下町娘であり、その天使と悪魔のような二面性は、大ファンには堪らないと云えるでしょうし、興味がない人には、オーマイガーとなるに違いないと云わざるを得ません。しかも、物語が、「記憶喪失」を逆手に取ったとは云え、TVドラマだったとしても果たして成り立つだろうか、と思わせるシンプルなものだったりするので、その意味でも、大手を振ってお薦めするのは難しいでしょう。ただ、パク・チニとイ・ギウを中心に、現在とかなり無理々々な高校時代を行き来する序盤から、次第に、チョ・ハンソンへと軸足を移し、過去と現在に新たな光を当てるシナリオは、それなりに心地よいですし、これまたTVドラマの定番、かなり変なパク・チニを頂点とした、チョ・ハンソンとイ・ギウの三角関係も、韓流ドラマ風の安心感を感じることができるので、観て損した、という感じはありません。

「ラブ・トーク」「宮女」といったシリアスも良いですが、『カムバック!スネさん』「恋愛術士」をはるかに超えるぶっ飛んだコメディエンヌぶりが堪能できるので、パク・チニのファンなら、絶対必見でしょう。そうでなくても、恐らくチョ・ハンソン狙いとは思いますが、思いがけず早く日本版DVDも出ているので、お暇なときに、気楽に試してみるのは、ありだと思います。

ちなみに、身元が割れるまで、パク・チニは、ひったくられた鞄にいかがわしいチラシが入っているところから、チランと名付けられ、チランシと呼ばれてるようです。「チラシ」という日本語も、韓国で通用するんでしょうかね…