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ネットで話題となったユ・イランの都市伝説ホラー集「ある日突然」をベースに作られた4本のオムニバス・ホラーから2番目、『パリ恋』美貌の本部長役キム・ソヒョン、可愛い上に巧い子役キム・ユジョン主演、「四番目の階」。

縁起が悪いため4階がない新築3年目のオフィステル。その504号室に、職場に近いとの理由から、設計士のシングルマザーが、6歳の娘を連れて引っ越してくる。住宅用アパート暮らしでないとの理由で保育園や幼稚園に受け入れて貰えない娘を一人部屋に残して、建築士は仕事に通うが、静かに暮らしているにも関わらず、下の304号室に住む不気味な男からうるさいとの苦情が来たり、娘も、急にアトピー性紅斑を発症し、さらに下の部屋から子供の声が聞こえると云う。やがて、設計士も、中年女と少年の幻影に悩まされ始めるが、そんな時、8階に住む金貸しヤクザが、エレベーターに挟まれて死ぬという事故が起きる…

設計士に、「欲望 Lovers」で一般映画で知る限り最も激しい濡れ場を演じ、その後『パリの恋人』『グリーン・ローズ』などドラマで活躍する知性派美人キム・ソヒョン、6歳の娘には、「角砂糖」でイム・スジョン「黄真伊」でソン・ヘギョの少女時代を演じ最近は主演級売れっ子子役可愛いキム・ユジョン、謎のコンビニ店長に、「大統領の理髪師」で大統領を演じたチョ・ヨンジン、304号室のヒロボン売人に、「おー!スジョン」でイ・ウンジュの兄を演じたイ・ファンウィ。

このシリーズの製作者でもある韓国ホラー映画界のドン、アン・ビョンギの作品「アパート(アパートメント)」から集合住宅の恐怖を、「フォン(ボイス)」から母娘の狂乱、を借りてきた、って感じで、独創性は余り感じられないにも関わらず、両作品よりはるかに好感の持てる作品に思えます。まず、シナリオがスッキリしていて、ほぼ完璧な起承転結は分かりやすく、筋も通っている上、意外に少ない勧善懲悪的な展開の後味も悪くありません。また、もともと職住兼用目的のオフィステルは、浴槽が設置できない、壁が薄いなどの制約があり、家族での生活には向かないそうですが、そのモダンではあっても無機質な感じが、巧みに映画の雰囲気作りに活かされている上、さらには、ホラー3作目キム・ソヒョンの知的な美貌がホラーにピッタリですし、子役キム・ユジョンの、可愛いはにかみ少女から、憑依されての不気味な演技まで、その天才少女振りに驚嘆することまで出来たりします。

貞子風恐怖シーンが思い切りありきたりだったり、映画館で見るにはスケールや深みに欠けると云わざるを得なかったり、若手監督発掘目的の映画なので多くは望めませんが、ピリっと小粒な良質好感ホラー、と呼びたいと思います。美人と名子役には滅法弱いので、かなり甘いかもしれませんが…