イメージ 1

 

ちょっと懐かし風に云うならば、オ・ジホつながりで、「アイ・ラブ・ユー」。

人の死をテーマにしたドキュメンタリーを制作する美人ビデオ・ジャーナリスト(VJ)は、自殺女性の取材中、小学校の同級生である苦悩する映像作家に再会する。同じ小学校の同級生である婚約者との結婚にためらいを感じている美人VJは、次第に、映像作家との関係にのめり込んでいくが…

美人VJには、キム・スンウの新妻で「あいつの声」で6年ぶりにスクリーンに帰ってきた美形のキム・ナムジュ、彫像のようなイケメン映像作家に、『ファンタスティック・カップル』のオバカ演技からは想像もつかない二枚目ぶりオ・ジホ、VJの婚約者には、後に『チェオクの剣(茶母)』ファンボ・ユン役で大ブレークするイ・ソジン、哀しく美しい自殺女性には、「ナチュラル・シティ」での切ないアンドロイド役が印象的なキュートなソ・リン。

『冬ソナ』のような因縁の四角関係を描いているんですが、『夏の香り』のように一体いつどんな仕事をしてるのか分からない非現実感あたりも、いかにも、って感じの、韓流ドラマ風スタイリッシュ・メロと云えるでしょう。とにかく映像が綺麗で、非現実的とも思わせるモダンで人工的なセットや韓国映画では珍しいヘリコプター撮影も交えたPVっぽいカメラワークもいいんですが、何より、キム・ナムジュとオ・ジホの驚くほど美しいビジュアルがかなり見応えがあります。また、美人VJが不眠のため見ているのがチャップリン「街の灯」の除幕式と自殺者を助けるシーンだったり、会話で太宰治「人間失格」の喜劇名詞・悲劇名詞の逸話が出てきたりと、小道具も全体の文学的な香りによく合ってたりします。しかしながら、ストーリーは安易で無理やりな作り物の感じが免れず、多少謎解きみたいな部分もあったりしながらも、幾分露骨な死や濡れ場のシーンさえなければ、お茶の間に溢れるドラマの域を出てないと云わざるを得ません。事実、こんな話ならドラマで十分、ということで映画自体はかなりコケたそうです。

『ファンタスティック・カップル』の余勢で見た訳ですが、オ・ジホの余りの変わりように唖然と出来ますし、挿入歌としてキム・ナムジュとのデュエットが聞けたりもするので、オ・ジホのファンなら、見ておいた方が良いかもしれません。会話も少ないので、英語字幕で十分楽しめます。

全くの余談ですが、中で日本ロケを使ってるんですが、日本での最初のシーンが、画面一杯に広がる「靴のマルトミ」の看板だったのには、爆笑してしまいました。この会社、この後民事再生の適用を申請し、ワンゾーンと改名、今では、ユニクロの傘下に入っているようです。