イメージ 1

 

1997年度日本ホラー小説大賞受賞作、貴志祐介の同名小説の再映画化、「黒い家」。

生命保険会社に努める実直な調査員は、ある日顧客に呼ばれ、家を訪ねるが、そこで、幼い息子の縊死体を発見する。息子の生命保険金を執拗に要求する顧客に対し疑念を抱いた調査員は、顧客の美しい妻にも巨額の保険がかけられていることを知り、なんとか彼女を助けようとするが…

実直な保険調査員に、善人でも悪人でも見事に演じきる実力派ファン・ジョンミン、怪しげな顧客に、脇役出身ながらもはや主役級カン・シニル、その美しい妻に、「4人の食卓」「鬘」とか恐怖演技にその美貌が映えるユソン、保険調査員の美貌の恋人に、やはり「ヴォイス」「ある日突然 四番目の階」とかホラーがお似合い『パリの恋人』キム・ソヒョン。

原作小説も、森田芳光監督で内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦主演の邦画も見ていなかったのですが、サイコパスと生命保険を主軸にした物語は、さすがによく練られていて、手に汗を握りながらゾクゾクするような時間を味わうことができます。役者も、ファン・ジョンミンの生真面目そうな演技とカン・シニル、ユソンの外連味たっぷりの演技が好対照で、物語の雰囲気を巧く盛り上げています。

原作のせいか、終盤のアクションに多少無理無理の感がなきにしもあらずだったりもしますが、手堅くまとまった恐怖佳編と云えるでしょう。本国でもかなりヒットし、角川ヘラルドが投資しており、今年中には日本公開されそうなので、日本での健闘も期待されます。ちなみに、演出も演技もホラー風味タップリですが、正確には、超常現象が出てくる訳ではないので、「鳥肌」とかと同じく、心理サスペンス映画、と云った方が近い感じがします。