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市販されている韓国映画の中で、恐らく最も長い題名を持ち、恐らく最も上映時間が短いであろう、「大学路(テハンノ)で売春してバラバラ殺人にあった女子高生、まだ大学路にいる」(대학로에서 매춘하다가 토막살해당한 여고생 아직 대학로에 있다)。

いわゆるインディーズ・ムービーってジャンルなんでしょうが、チープながらも時折センスの光る一本。テハンノ(大学路)で売春する女子校生は、”担任”の家の路地で商売している所を”担任”に見つかり、やむなく”担任”の要求に応え、妊娠してしまう。それを知った”担任”は三人組の殺し屋を雇い、女子高生をバラバラに切り刻んでしまうが、謎の組織が、彼女をミシンで縫い合わせ、殺人サイボーグとして蘇らせる。人間だった時の記憶は、彼女を、復讐の念に駆り立てるが…

役者は、殆ど知らない人ばかりなんですが、女子高生に銃を渡し、最初の殺しを命ずる男は、「ラン・アウェー」「地上満歌」「フェイス」とかで見るパク・トンヒョンです。

全体的には、リュック・ベッソン「ニキータ」やポール・バーホーベン「ロボコップ」へのオマージュという感じで、ソウルの薄暗い路地裏の雰囲気を巧く活かした、ダーク・ファンタジーになっています。この映画を見た人が必ず褒めるのが、”担任”と女子高生の交渉が成立した時のダンス。韓国バンドのハックルベリーフィン”Teacher Says”にのって、ゆらゆら、次第に激しく踊るシーンは、確かにクール。また、殺人マシーンとして復活する女子高生のシーンも秀逸で「羊たちの沈黙」のあるシーンを彷彿とさせますし、殺人マシーンとしての最初の仕事は「ニキータ」そのまんま、ラストの”校長”を使った洒落たオチもまんま「ロボコップ」のパクリ、と遊び心満載。他にも、いきなりエンド・クレジットが降りてくる出だしとか、妊娠を予感する女子高生の独白シーンとか、三人組殺し屋を車の屋根越しに乱射するシーンとか、洒落たセンスを感じさせて好感です。

独創的とは云い難いですし、多少のエロ・グロもありはしますが、100万円そこそこの低予算を考えると、作り手たちの尖ったセンスが感じられる一本でしょう。勿論、数百円のレンタル代や1時間余りの時間を返せ、とお怒りになる方も少なくない筈なので、ご覧になる前には、よくお考え下さい。

ちなみに、この映画、ネット上で結構たくさんのレビューが読めます。意外に隠れた人気があるのかも…