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今日から4本はホラー、まずは、チョン・ホジンつながりで、「人形霊」。

幻想的で耽美的、典型的なゴシック・ホラーの佳編。人里はなれた美術館に、インターネットの人形製作モデル募集を見て、男女5人が集まってくる。そこには、人形製作者と美術館長、そして謎の美少女が。やがて、惨劇の幕が切って落とされることに…ってな、何度も見たようなプロットではありますが、雰囲気タップリに仕上がっています。

集まってきた5人には、ボーイッシュな美形彫刻家に、「シュロの木の森」好演のキム・ユミ、謎めいた男性モデルに、『白雪姫』の気の良いケーキ屋が印象的なイム・ヒョンジュン、キャピキャピ女子高生に、イ・ガヨン、デミアンという人形を溺愛する神経質な娘に、「子猫をお願い」でデビュー最近「シン・ソッキ ブルース」「ミスター・ロビンの口説き方」とかブレイクの予兆を見せるオク・チヨン、助平そうな写真家に、「家門シリーズ」笑えるイム・ヒョンジュン。怪しい美術館長に、「デイジー」チョン・ホジン、もっと怪しい車椅子の人形製作者に、「マラソン」キム・ボヨン、地下に鎖でつながれる謎の男に、「ディナーの後に」ナム・ミョンニョル、そしてきわめつけ、美術館に住む謎の美娘に、イム・ウンギョン。

60年前の惨劇に端を発し、人形に怨みの魂が宿る生霊をテーマにしたストーリーは、序盤はアジアン、中盤は多少スプラッター、後半はアクション・ホラー、と色合いを変えながら、しかも、雰囲気タップリの洋館、個性的な美女・美少女と上手くかみ合い、上々の出来です。

勿論繰り返し使われたようなテーマなので新鮮味は少ないながら、美術館に多数並べられた球体関節人形の美しさ・恐ろしさと美形役者の演技が絶妙に溶け合って醸しだされる雰囲気は、一見の価値があるかもしれません。

ちなみに、キム・ユミの少女時代を演じるのは、この後「このまま死ねない」「とかげ(の可愛い嘘)」とかで天才振りを発揮する子役ピョン・ジュヨンです。