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オ・ユノンつながりで、「愛と、死を見つめて」(原題:「空の庭園」) 。

末期胃癌で余命わずかな美女と、意に反して父親のホスピスを継いだ若き医師との悲恋を、叙情豊かに描いている筈の映画ですが、残念ながらこの手の映画はダメですね。まあ、安易に難病をストーリーのダシに使う凡百の駄作に比べると、多少は真摯に「死」を見つめてるのは感じられますが、お涙頂戴の域を出ているようには思えません。

ホスピス院長に、アン・ジェウク、余命僅かなメイク・アーティストに、イ・ウンジュ、ホスピスの看護婦長に、ソン・オクスク、入院患者では、詩人に、「木浦は港だ」やくざ運転手ユ・ヒョングァン、前立腺癌患者に、「ナチュラル・シティ」変な博士オム・チュンベ、その妻に、「緑の椅子(秘蜜)」オ・ユノン。

ホスピスの変わった患者たちについてなかなか豊かな表現もあって、「カッコーの巣の上で」「メゾン・ド・ヒミコ」とかを思い出させる出来映えになるかも、って思わせる所があったりもしますが、やはり、たとえそれがホスピスの現実であるとしても、ちゃんと丁寧に描かずして、娘を残して逝く母親、母親を残して逝く少年とかで物語をつないでいくシナリオには感情移入できませんし、ベッドに横になる死んだふりした役者を撮る以外に「死」を表現できない所も相当痛いです。

オリジナルは、一色伸幸脚本、小泉今日子主演の「病は気から 病院へ行こう2」のようですが、見てないので何とも云えませんが、コメディに軸足を置いた作品なら、オリジナルの方が勝っているかもしれません。

イ・ウンジュがいつもながらベラボーに綺麗に撮られているので、彼女のファン限定のお薦めでしょう。