もう一本、イ・ボムスつながりで、「ジャングル・ジュース」。
ジャングル・ジュースと隠語で呼ばれる０.５Ｋｇのコカインに関わったことで、弱っちいチンピラやくざ二人が、これでもかと襲いかかる悪運から逃げ回る、バディームービーの佳編。
清涼里の５８８（オーパルパル）をネグラとする二人のチンピラには、実際５８８でその筋の人を見て演技を作っていったと云う、初めての主演級イ・ボムスと後に「僕の彼女を紹介します」とかブレイクするチャン・ヒョク。残虐なやくざの武闘派Ｎｏ.２には『クッキ』ソン・チャンミン。その手下に「淫乱書生」内侍役キム・ルェハ、麻薬商に同じく王役アン・ネサン。ずる賢いチンピラに今や主演級ポン・テギュ。二人と一緒にプサンに逃げる娼婦に「アンニョン、兄ちゃん」担任役チョン・ヘジン、追う刑事には同じく父役パク・ウォンサン。
裏社会に蠢く若者を主演にし、暴力、麻薬、セックスまみれの社会の底辺をあからさまに描いてはいますが、妙に社会派ぶらず、とことんエンタテインメントに徹している所が潔いですし、途中から舞台をプサンに移すことで、ちょっとロードムービー風だったりする所も、何処かジム・ジャームッシュのタッチを思い出させて洒落てます。
ただ、こういった滑稽・荒唐・残酷・猥褻ミックスジュースみたいな映画は、誰もが楽しめるとは思いませんので、ご覧になる時はご注意ください。