パク・ウォンサンつながりで、「女教授の隠された魅力」 。
地方の大学を舞台にした、いわく云い難い、淫靡な皮肉と諧謔とに満ちたブラック・コメディの佳編。
札付きの不良だった高校1年生以来20年ぶりに再会した男女、売れっ子の漫画家に『チャングム』のイメージを払拭したいというチ・ジニ、才色兼備の染色科女教授に「オアシス」の名女優ムン・ソリ。彼女の情事相手には、「アンニョン、兄ちゃん」の父役とは180度違うパク・ウォンサン。
この映画の魅力は二つ。
まず何といっても、驚くほど美しいプロポーションを見せてくれるムン・ソリの魅力。TVカメラの前では、タイトスーツに身を包み艶然と微笑みながら環境保護を訴える才色兼備の女教授でありながら、実は不良の過去を持ち、自分の下手な詩に陶酔し、情事に溺れ、若い娘に嫉妬する「俗物」であるというキャラクターは、彼女にしか演じられない特異な魅力を放っています。
もう一つは演出。99%は固定カメラで撮影しているんですが、斬新な構図の中で、虚飾に満ちた会話や情事が展開される様は、見ていて飽きません。朝鮮日報のレビューは、北野武を引き合いに出しながら、「一風変わってはいても新鮮味はない。」と厳しいんですが、どう撮影したか分からないショッキングなカットもあったりして、上々の出来だと思います。
チ・ジニとパク・ウォンサンが、ムン・ソリの魅力の前では、普通のおじさんに見え、いま一つ輝いてないのは残念ですが、個人的にはかなり好きなブラック・コメディです。