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さらにもう1本、とんでもない、チャン・ハンソン出演作、「オー!ハッピー・デイ」。

ドラマ『愛しのパッチ』で使ったアルバム(第2集)を聞きましたが、歌は相当の実力派チャン・ナラの銀幕初主演作です。

チャン・ナラは見るのが初めてで、どうせ売れてるアイドル歌手が適当に演ってる系の映画だろうと全然期待してなかったんですが、とんでもなく失礼でした。確かに、熟練したコメディエンヌとは云えませんが、アイドルをかなぐり捨てた、オーバーアクション(彼女どことなく中島みゆきに似ていて、「夜会」の少しオーバーな演技を思い出しました)、百面相、下半身ネタ、体を張ったギャグ、と、大げさですが、その女優根性に胸が熱くなります。それに応えるかのように、母親役『冬ソナ』キム・ヘスクも絶叫・体当たりギャグが炸裂していますし、特別出演焼肉屋女主人キム・スミの方言・お下劣マシンガン・トークも絶品です。この女優三人に比べ、男性陣、主役『ホテリア』道楽息子パク・チョンチョルや父親役「王の男」の名優チャン・ハンソンは少し地味めです。

ところが、確かに俳優の熱演は良いんですが、シナリオはとんでもない出来ばえです。ストーカー話を軸に、家宅侵入、営業妨害、環境問題、何でもありのぶっとびストーリーで、ラストは収拾がつかなくなり、ミュージカル風大団円という、超のつく呆然脚本です。唯一、難病話をパロって笑い飛ばすシーケンスだけは良くできていて、ここだけは筋で笑わせてくれますが・・・いずれにせよ、もしご覧になるのなら、映画であることは忘れて、ショート・コント集とでも思わなければ、やってられないんじゃないかと思う一方、個人的には、それでも見る価値のある熱演だと思ったりもしています。