もう一本ハン・ソッキュから、「銀杏のベッド」。
純愛と憎悪渦巻く伝奇ロマンですが、好き嫌いは分かれそうです。カヤグム(伽椰琴)の音色に彩られた千年の時を超える悲恋、二本の銀杏の木の伝説、その木から彫り出したベッド、月食、と幻想的な雰囲気たっぷりな一方、凄惨な殺人シーン、裸、カー・アクション、病院での医療ミス事件、とかやたら現実的な話が入り交じって、ついていくのが結構シンドイ人も多いかもしれません。
主人公の美術講師には、名優ハン・ソッキュ。女医で現世の恋人には、「グリーン・フィッシュ」でもハン・ソッキュと共演する穏やかな美貌シム・ヘジン、前世の恋人には、「青春」「モーテルカクタス」とか妖艶なお姉さん役が多いチン・ヒギョン、前世からの怨念で現世に蘇る将軍には、例によって外連味たっぷりのシン・ヒョンジュン。
もし、何とか最後まで見れるとしたら、やはりこの役者四人の力量なんでしょう。ストーリーは『冬のソナタ』と似たりよったりの荒唐無稽な四角関係なんですが、思い入れたっぷりの役者の演技が、見るものをつなぎ止められるか、かなりの博打か、って云う感じです。