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同じくイ・ジョンジェの主演作からは、「イルマーレ (原題:シウォレ(時越愛)) 」。

「2年の時を超えるポスト」というたったこれだけのアイデアから広がる、美しいタイム・ファンタジーの傑作。

いかにも誠実そうなイ・ジョンジェの魅力もさることながら、デビュー後間もないチョン・ジヒョンの演技力には驚嘆しました。彼女を初めて見た映画なので、最初は、えっ、彼女主役?ってな感じを持ってしまったんですが、見終わる頃には、すっかりファンになっていました。

インチョン席毛島(ソンモド)に設けられたイルマーレのセットは勿論、ポスト、スパゲッティ、ワイン、父親の遺作集とかの小道具もセンス良く、音楽も美しいバラードとソフトなジャズが心地好いですし・・・コーラという犬が過去と現在をつなぎながら、過去にいる男は、その時の彼女に会いに行けるが、彼女はまだ彼を知らなかったり、未来にいる彼女には、どうしても変えたい過去があったり・・・といった時間の持つ不思議さ残酷さみたいな所を活かしたシナリオも秀逸です。勿論タイム・パラドックスに飛び込むようなエンディングには賛否もあるでしょうが、個人的にはかなり好きです。

韓国映画には他にも「リメンバー・ミー」「人魚姫」というタイム・ファンタジーの傑作があり、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ニューヨークの恋人」とかのハリウッド製タイム・ファンタジーとは全然違う魅力を持ってるのですが、この「イルマーレ」のハリウッド・リメイク版が今日(6/30)韓国で封切られるそうです(by朝鮮日報)。主演はなんと12年ぶり「スピード」コンビのキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック。「海」が「湖」になってますが、果たして出来ばえやいかに・・・余談ですが、リメイクやシリーズものしか作らないハリウッドには、もはやオリジナリティのかけらも感じられないのですが、錯覚でしょうか・・・