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キム・ミンジョン(♀)つながりで、「淫乱書生」。

シリアスともコメディともエロともつかない、清濁合わせ飲むような独特のリズムが素晴らしい歴史ドラマの逸品。こういう求道スタイルの物語って、例えそれがエロ本道であっても、かなり好きです。

ハン・ソッキュは、清廉公明な官吏ですが、艶本書きにのめり込んでいき、イ・ボムスは、拷問もする強面の役人ですが、いつしかその挿絵作家に・・・そしてものすごく綺麗に撮られているキム・ミンジョンは、王の側室(内命婦)で、ハン・ソッキュと・・・脇は地味ですが、艶本元締オ・ダルス、内侍キム・ルェハ、王アン・ネサン、写本屋キム・ギヒョンらもしっかり描かれていて、たかがエロ本、されどエロ本って感じで、物語の奥行きをかなり深いものにしています。

勿論艶本がテーマなので、前半バタバタの、その卑猥さ、滑稽さは、目茶滅茶スケベ可笑しいんですが、小説と現実が混ざり始める中盤からは、俄然、生々しく残酷で熱い物語に・・・とても初監督とは思えない作風は、凝った映像、硬軟使い分けた絶妙のストーリー展開、どれをとっても一級品です。特に、あくまでスケベな探究心を追い求めるラストシーンは、清々しささえおぼえる絶品です。残念ながら、あまりにも卑猥で下品ではあるので、お薦めすると人格を疑われそうで、お薦めはしませんが・・・

ちなみに劇中艶本元締は、淫乱小説を「夢を見るようなもの、夢で見たようなもの、たとえ夢でも味わってみたいもの」と看破しますが、映画にもあてはまる名言です・・・