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中讃ミドルクラブログ

陸上は楽しくありたい!が原則で,それでも本気で世界一のアスリート育成を目指す,うどん県骨付鶏市を拠点に活動中!陸上クラブの日常を書き綴ります。

努力の方向が「練習量」だけに限定されるという話でしたね。
そうです。
ここに「努力が足りない」と私が考えている原因があります。
「練習量」にこだわるのは,二つ理由があると思います。

その1つは,前述した一般の人に対する言い訳のためです。
例えばオリンピックが近づくと,毎度のように活躍が期待される選手をマスコミが取り上げます。
そして仮に負けてしまったとしましょう。
そうすると必ず
「どうして負けた」
「日本中の期待を裏切った」

等々手のひらを返したように攻めまくります。
本当にマスコミというのは嫌らしい人たちです。
そして思慮深くない人たちもそれに乗せられて
「○○は情けない。あれほど応援したのになんだこの結果は」
と自分には全然関係ないのに,至る所で話のネタにします。
大体,スポーツ選手から見れば,頼まれてやっているわけでもないのにどうして責められないければいけないのか,不条理この上ないことですよね。
単に好きだから続けた結果が日本の代表になっただけです。
国民から多額の給料をもらっているわけでもありませんし,もちろんそれで大金持ちになったわけでもありません。(プロスポーツは別ですよ)
これほど割に合わない話もありません。

ところが,スポーツマンは真面目な人が多いんです。
だから,本来弁明など必要ないのに
「私の至らなさで,負けてしまいました。日本の皆様すみませんでした」
と謝ってしまいます。
おかしいんですよ。
「そんなに責めるんだったらあなたがやってみたら」
と言えばいいところなんですけどね。
日本のスポーツマンは本当に人がいい。

そしてコーチはもっと人がいいんです。
自分の教えた選手が,運悪く負けたときに責められるのを見ていられない,批判は自分が受けるべきだ,と考えてしまいがちです。
そこで,もっとも間違いない言い訳が
「これだけ全力で猛練習に励んだのだから,負けたけれど許してやってください」
ということなんです。
だって,噂をする人たちは勝手ですから,もし日本代表が,ほどほどの練習で負けたりすると
「遊んでいるから負けるんだ,本気でやっていなかったからこの結果になってしまったんだ」
と言いますからね。
でもマスコミはそうした噂を作ることで商売をしているわけですから,矛先を緩めません。
どこまでも攻め続けます。
私は過去,そうした批判に耐えられずに引退した選手を何人も知っています。
曰く
「あいつはもう終わりだ」
「いい加減なことをやっているからダメになったんだ」

等々ですね。
繰り返しますが,そうした批判を緩める唯一の言い訳が
「猛練習をしてきたんだ。あなたたちにはできないほどの苦しい練習に耐えてきたんだから,負けたけど許してやってほしい」
ということなんですね。
ですから,選手を助けようとするコーチの心情からくるものでしょう。

しかし,しかしです。
それだけだったらことは簡単ですが,実は違うんですね。
こうした素晴らしい選手やコーチばかりではないのが現実です。
これが第2の理由です。
「勝つための努力」と簡単にいいましたが,そんなことは実は誰にもわかりません。
わかるはずがないんです。
わかっていればオリンピックなどとっくの昔に面白くなくなって終わっているはずです。
選手はもちろんのこと,コーチだって「勝つための練習方法」なんてわかっていません。
でもわかっていなければ指導はできないでしょう。
選手も練習に思い切り取り組めないでしょう。
勝った選手ですら「どうして勝ったのか」わからないんです。
でもとりあえず勝利者インタビューをされたら
「猛練習のおかげです」
「支援してくれた人たちのために全力で頑張りました」

と言うしかないんです。
そこで,選手もコーチもわからないながらも,とりあえず「練習に励んでしまう」わけです。
それが自分を納得させられる唯一の方法ですから。
では,誰にもわからないことなのだからしょうがない?
いえ,そんなことはありません。

続きは次回。
では,また!!