ピエトロ・メンネア選手の走り ~二軸走法の教科書~ | 中讃ミドルクラブログ

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陸上は楽しくありたい!が原則で,それでも本気で世界一のアスリート育成を目指す,うどん県骨付鶏市を拠点に活動中!陸上クラブの日常を書き綴ります。

なでしこジャパンの合宿も終わり,いよいよ陸上競技の出番です。
みなさんも中間テストが終わり,さあ部活に燃えるぞと張り切っているところではないでしょうか。

さて,そこで改めてみなさんにしっかり意識してもらいたいのが「二軸クロス車輪竹馬走法」です。
長いので以下「二軸走法」に省略します。
もう耳にたこができるほど言ってきましたが,スポーツでいい成績を上げたり,勝ったりするためには「いい動き」が不可欠です。
「いい動き」とは正確に言えば「その目的に沿った効率の良い動作」ということです。
どんなに一生懸命頑張っても,効率の悪い動きをしたのでは,良い結果は出ません。

例えば野球を考えてみます。肘を伸ばしたままで,速いボールが投げられますか?
バットの太い方を持ってホームランが打てますか?
サッカーでは,太ももでボールを遠くまで蹴れますか?
水泳で膝を曲げたままで,一生懸命バタ足をして速く進みますか?

わかりますね。
どんなスポーツにも必ず「理にかなった動き」というものがあるのです。
ですから陸上競技にももちろんあります。
特に陸上は100分の1を争う競技ですからほんの少しの動きの違いが大きな差を生みます。
だからハードルの選手はぎりぎりの所をかするようにして越えていきます。
走り高跳びの選手は,何度も何度も踏切の練習をします。
棒高跳びの選手もまた同様です。
砲丸投げも突き出しを繰り返し練習します。

ところが,走る種目はどうでしょう。
過去に正しい走りを教わりましたか?
実は,これが難しいのです。
「走る」という動作は人間にとって生活の上で欠かせない基本の動きです。
走ったことのない人はいません。
だから人それぞれに癖があるのです。
そしてその癖は,骨格の違いや生活習慣の違いで千差万別です。
だから変な走りに見えても速い場合もあるし,美しい走りなのに遅いこともあります。
また,練習なんか全然していなくても速い人もいます。
そういうわけでどうすれば速く走れるかということは古今東西数え切れない人が研究してきたのですが,未だに正解は見つかっていません。
でも見つかっていないからこそ,オリンピックの100m走が続いているのかもしれません。

スポーツは科学だと言われて,多くのスポーツ科学者達が,速く走る方法を研究してきましたが,その中には間違いもありました。
なぜなら人間の体は,そう簡単に結論が出るほど単純にはできていないからです。
また,いくらいい動きがわかってもそれを理解することと身につけることは違います。
頭でわかっていても体で表現できないことはたくさんあります。
また,速く走ることは,極限を追求することですから,そこには神経の働きも関係してきます。
また,骨格の複雑さもそれに拍車をかけています。
人間は二足歩行の動物ですから,四足歩行のように安定していません。
どうしても重心と地面を結ぶ直線と脚の骨格が一致しません。
そうした矛盾をどのレベルでバランスを取るかが,スピードの決定要因になるのです。
それほど速く走るのは難しいわけです。
しかしながら,それでも,私なりに40年近く研究してきてこれは合理的だろうと思える走りを見つけることができました。
それが「二軸走法」なのです。
これについては,今まで幾度となくチーム香川や中讃クラブで説明してきましたが,それでもまだまだわかりにくいことと思います。
どんどん質問して下さい。
できるだけわかりやすく説明したいと思います。
 
さて,長々と前置きを書きましたが,この前置きがなければ「二軸走法」の重みがわかりませんから,あえて書きました。
そして,いよいよその手本となる選手を紹介しましょう。
それが標題の「ピエトロ・メンネア選手」です。

さて,本論は次回のお楽しみです。
首を長くして待っていて下さい。

それでは,また!!