いんちき(?)リフトアップ | 美容整形の現場より ~美容外科医とstaffのつぶやき~

美容整形の現場より ~美容外科医とstaffのつぶやき~

専門医・スタッフが美容外科の診療現場での出来事や、誰も言わない本当のことを少しずつつぶやいていきます。皆さんの参考になりますように。

誰もが加齢とともに気になるものに、頬のタルミがあります。

頬のタルミを解消する場合、大きく分けて2つの方法があります。切る場合と切らずに糸を使う場合です。
どちらの方法でも皮膚を引き上げるのではなく、その下の筋膜を物理的に引き上げる施術になります。どちらの方法が良いという事はありませんが、どちらの方法でもインチキ臭い施術をされるケースがよくありまます。

今回、カウンセリングで患者さんからリフトアップのご相談を受けました。
どうやら、お母さんが他院で切るリフトアップをされたそうなのですが、たった数か月で元に戻るのを目の当たりにしたそうなのです。その経験から、一過性の効果ではなく長期的な効果が得られる施術を受けたいと考えておられました。

通常、リフトアップが数か月で元の戻るなんてことは考えられません。
施術について聞いたところ、たった15分前後の手術だったそうです。他院の施術ですし、お母さん本人から聞いているわけでもありません。うちの院長の手術は、丁寧なのにスピードが驚くほど速いと他院のDrから聞いたことがありますが、それでもそんな短時間では終わりません。
状況からの考えれれることは一つ。
憶測でしかありませんが、皮膚だけを引き上げて、余分な皮膚を切除されただけなのではないでしょうか。

頬のタルミの原因は、皮膚ではありません。皮膚の下にある筋肉層の弛みが原因なんです。皮膚を引き上げただけでは、根本的な改善にはなりません。当然、得られる効果も短期間しか持続しません。

一通りの説明をさせていただくと、患者さんは驚かれつつもご納得いただいた様子で「ちゃんとした話が聞けて良かったわ!」と仰られ、リフトアップの予約をして帰られました。

それにしても、実際のところお母さんの手術はいったい何だったのでしょうか・・・