●とっても危険な社員研修
こんにちは、伊達誠です。
その、とっても危険な社員研修は、去年の12月にありました。
私は、ある生命保険会社の障がい者枠で働く、契約社員です。
もう8年8ヶ月以上も、同じ生命保険会社で働いています。
職場は、千葉県の田舎にある、その生命保険会社の本社です。
私の勤めている生命保険会社は、東京にも本社がありますが、もう一つ千葉県の田舎にも、本社を持っています。
私の勤める、千葉県の田舎の本社は、約1000人もの従業員が働いています。
そして時々、社員研修があります。
研修の内容は、だいたい「セクハラはダメ!」とか、「パワハラはダメ!」とか、「個人情報の漏えいはダメ!」とかいった内容です。
私は、約1時間の研修を、毎回ほとんど聞き流しています。
でも、去年の12月の研修内容は、「障がい者について」でした。
私は、この研修内容に、興味をそそられました。
それは、そうですよね、私も障がい者ですから。
私の勤めている生命保険会社には、多くの身体障がい者と、多くの軽い知的障がい者と、20人弱の精神障がい者が働いています。
もちろん私は、精神障がい者。
ちょっと期待を持って、その研修は始まりました。
研修のパターンは、いつもと一緒。
最初の30分から40分で、障がい者についてのDVDを見て、後の20分程で、グループディスカッションをして終わり。
さあ、障がい者についてのDVDが始まりました。
最初は、耳がほとんど聞こえなくて、補聴器をしている、身体障がい者の例。
結論は、耳が聞こえない方には、筆談や簡単な手話を覚えて、対応しましょう。
次に紹介されたのは、足が悪くて、車いすに乗っている方への対応方法。
結論は、車いすの方は、高い場所にある物が取りづらいので、見つけたら率先して取ってあげましょう。
DVDは、以上で終わり。
私は、心の中で叫びました。
「おい!知的障がい者や精神障がい者の例は無いのか!」
「全部、身体障がい者の例だけじゃねえか!」
私は、DVDの後の、グループディスカッションの内容を、全く覚えていません。
頭の中が、真っ白になったからです。
身体障がい者だけが、障がい者じゃねえ!
なぜ、こんな中身の無いDVDを流すんだ!
こんな言葉が、私の頭の中で渦巻きました。
皆さん、障がい者をたくさん雇って、企業のイメージアップを図っている大企業が、こんな小学生向けみたいなDVDを平気で流しているのです。
だって、身体障がい者の方は、内臓など見えない場所に障がいを持っている方を除けば、だいたい見た瞬間に、「障がい者だ」って分かる方が多いですよね。
耳に障がいがある方には筆談をって、小学生でもすぐに理解できますよね。
全く無駄な研修であるとともに、私は「この研修は危険だな」と強く思いました。
「障がい者」と言えば、身体障がい者を思い浮かべる健常者に向かって、この研修は、その考えを更に強めるだけの茶番です。
せめて、知的障がい者と精神障がい者への対応方法を、1分ずつでも良いので、講義してほしかった。
こんな研修をやっているので、私の働く会社では、知的障がい者と精神障がい者への対応が、誰も分かっていますん。
知的障がい者や精神障がい者は、どれだけ苦労して就職したのか分かっているのか!
私は、今の会社の契約社員になるのに、3年もかかりましたよ。
障がい者を雇って、企業のイメージアップをしたいのなら、しっかり知的障がい者と精神障がい者について理解してから雇え!