グアテマラはフローレスから、
メキシコはカンクンに向けて、目下移動中の僕達。
11時間を超える、山あり谷あり賄賂要求ありの、アドベンチャーに富んだ移動で、心身ともに疲れ切った国境越えとなった前回。
前回のブログ→嵐の前触れ、不吉な兆し、これが地獄の始まり…
しかしそんな身も心もボロボロで、すでに満身創痍な僕の体、いや心を、さらにズタズタに切り裂くような、衝撃の事件が勃発するのであります。
そうです。
何を隠そうこれが、
僕のこれまでの旅史上最大で最恐の大事件!!
先に書いておきますが、マジで今回の記事、閲覧注意です。
それでも良ければ心して読んでみてください。
それでは、
地獄の扉は今、開かれん・・・
ただいまランキングに参加しております。
ひとまずいいね、ありがたき幸せ。
メキシコの国境から僕らを乗せたバンは、ようやく最後の経由地であるパレンケのローカルバスターミナルへと到着。
バスターミナルとは言っても、そこがバス停だと教えられなければ絶対に気がつかないような汚い車が並ぶ、よもやスクラップ工場。
チケット売り場らしき所には簡単な机とパイプ椅子が置かれ、
ノートに鉛筆で乗客の名前を書いていくだけという、かなりアナログなシステム。
近くには【ADO】という、
メキシコでは最大手のしっかりとしたバス会社のターミナルもあったのですが、
そこの一等バスだとここからカンクンまでは900ペソ。(約4850円)
一方、このスクラップ工場から出てるバスだと、半額以下の350ペソ!(約1886円)
今回の目的地がメキシコの中でも少し物価の高いリゾート地、カンクンだと言うことで、とにかく今は少しでもお金を節約して、カンクンに到着してから、しばしリゾート気分を楽しもうと、後者のバスを選択したわけなんでありますが、
やはりスクラップ工場発ということで、
もちろんやって来たバスもオンボロバス。
なんかもう、あちらこちらから本来出てはいけない液体が漏れてる、老いぼれバス。
しかしいざ乗車してみますと、まぁオンボロであることは確かなんですが、わりとクーラーも効いてるし、リクライニングも潰れてなかったし、比較的快適そうな感じ。
パレンケ16:30発→カンクン翌5:00着。
所要12、13時間。(予定)
ただ一つ問題を挙げるとするならば、それは、
トイレ
そうなんです。
このバス、かなりの長距離移動にもかかわらず、なぜかトイレには南京錠が掛けられており、実質使用禁止!!
「いやいやあるんやったらさせーや!」なんて思うのが僕たち日本人の感覚ですが、海外ではよくある話。
まぁおそらくは、「途中途中で休憩を挟むからその時にしっかりと考えて用を足せ。安いんだからそのぐらいは覚悟しろよ。」
と言うことだと思うのですが、普段からかなりションベンの近い僕からすれば、12〜13時間の移動にトイレがないのは不安でしかない。
「でもまぁ最悪ペットボトルにでもションベンするか」、なんて事を考えながらも、バスはカンクンに向けていざ出発。
少し走り出してから、改めて周りを見渡すと、車内は僕達以外はほとんどが現地人ばっかり。
しかも結構なお年を召された方も乗ってる。
僕の真後ろの座席にも、推定年齢90歳近いであろう、全ての覇気を吸い取られた樹木希林のような民族のおばあちゃんが、おそらく息子であろう日焼けした郷ひろみ似の男性に付き添われながら座ってました。
そう、
ここにあの『林檎殺人事件』を歌った昭和の伝説ユニット、
郷ひろみ&樹木希林、完成!!
それらを見て微笑ましい気持ちになったものの、
「こんなおばあちゃんが、これから12、13時間の長距離移動なんて大丈夫なんかいな?」
しかもそのおばあちゃんの服装はシースルーのようなワンピースのみと、かなりの薄着。
「中南米のバスはエアコンが効き過ぎてかなり寒くなることもあるけど大丈夫かいな??」
なんて心配を相方としておりました。
そこからバスは数時間程走り、
一回目の休憩所に到着。
ここでは晩御飯休憩も兼ねていたので、
早速メキシコ初のご飯をいただきます!
トマトベースのスープで煮込んだチキンにライス、レモネード、
そしてトウモロコシを原料として作られているトルティーヤ。
このトルティーヤは中米諸国ではよく見かけましたが、もれなくここメキシコでもよく食べられているみたいです。
タコスの生地もこれですよね。
現地のご飯で腹を満たし、しっかりとトイレも済ませ、
再びカンクンへと向けて走り出すオンボロバス。
その後もあと1、2回ぐらいトイレ休憩を挟みながら、バスは順調に進みます。
よしよし、もうちょっとや。
あともうちょっとでこのオンボロバスともお別れや。
寝て起きたらそこには、
カリブの青い海、青い空、エロいビキ二、セックスオンザビーチ…
夢は広がるばかり。
グエッヘッヘ。
待っとけよドスケベビキニ姉ちゃん!!!!
そうして期待に胸を膨らませ、目を瞑る事に。
しかし数分後、
なかなか寝付けない。
原因は明確で、僕の席の後ろに座っている先ほどの樹木希林バァちゃんが、どうやら疲れてきたのか何度も何度も姿勢を変えている模様。
その影響で、僕の椅子にちょくちょく振動が伝わり、起こされる。
やはりこんな長時間の移動はバァちゃんの体にはキツイみたい。
「そんな希林バァの為にも、少しでも早く到着してくれ。」と心で祈りながらもう一度眠りにつく事に。
ところがまたもや、僕の眠りを妨げるものが出現。
それは夜になるにつれ、外の気温が下がっているからか、案の定車内のエアコンが効き過ぎてきてかなり寒い。
ガリガリ君をその辺に置いてても溶けないぐらいの体感温度。
まぁでも海外のバスが寒くなる事ぐらいは、もう何度も経験しているので、あらかじめ用意しておいた上着を羽織りこれを回避。
そうしてようやく訪れた安息の時間。
もうこのまま何事も起きず、無事に到着してくれる事ばかりを願って深い眠りに入りました。
が、しかし!!
そんな僕の祈りも虚しく、
事態は最悪の方向へと向かうのであります!!
あれはAM4:00時ぐらいだったでしょうか。
これまでの激しい移動の疲れが一気に出たのか、うしおととらの白面の者並みに深い眠りについていた時でした。
ここで突然、
ものすごい悪臭によって飛び起きた僕!!!
それはそれはもう、鼻の穴に弾丸がピンポイントでホールインしたんではないかといった具合の、衝撃刺激臭!!
なんやなんや!!?
どないしたんやこれ!!?
マジでやばいって!!!
息でけへん!!!
毒ガスか!?サリンか!?麻原か!?一体なんなんや!?
どうやら飛び起きたのは僕だけではなく、
あまりの強烈な臭いに、隣の相方も、バスに乗っている全員が飛び起きてザワザワしてる!!!
相方と、「どないしたんやコレ!?何が起こったんや!?」なんて事を少し会話しますが、喋ってられないぐらいの強烈な悪臭に、たまらず鼻を塞ぎます。
そして乗客が足並みを揃えるかのように一斉に窓を開け始める音が!!
深夜4時という事でバスの中は真っ暗な為、何が起こってるのかはまだわかりません。
未だどよめきが収まらない車内。
そんな張り詰めた空気の車内を察したのか、悪臭を感じたからなのか、緊急停止するバス!!
そうして完全にバスが道路脇に停止し、
車内の室内灯がパッと点灯!!
そしておそらく震源地は後ろだろうと勘が働き、
間髪入れずパッっと後方を見ると…
なんとそこには通路に座ってウンコしてるババァが!!!
そう!!
例の樹木希林似のバァちゃんが、
僕の後方というかすぐ斜め後ろで、
完全にウンコしてる!!!
いや、
もはやこれはウンコをしてるというよりも、
ウンコをブチまけている!!!!
ギャァァァァッァァーーーーーーー!!!!!!
それを見た乗客達の悲鳴が車内に一斉にこだまする!!
さらに、ギャン泣きする子供達!!!
その子供の目を手で覆い隠す親!!!
そうです。
これを人は、
パニックと呼ぶのです!!!!
おもちゃ屋に並ぶ子供の人形が人間を襲う殺戮ドールとなった時も、
13日の金曜日に現れる仮面を被った怪物がチェーンソーを片手に現れた時も、
たくさんの貴族達が乗船する豪華客船が海に沈む時も、パニックであることは間違いない。
しかし、あれらは全て映像の中のお話。
本当のパニックは今目の前で起こってる事。
そう、
事件は映画の中で起きてるんじゃない、現実で起きてるんだ!!
これは完全な事件、
樹木希林似のバアちゃんによる、
林檎殺人事件ならぬ、
ウンコ殺人事件!!!
そしてここで、そんな大惨事な現場を見にくる運転手二人(運転手は二人の交代制)
するとそれを見た運転手達、
「チッ!!!!!」
えええええぇぇぇぇーーーーー!!!
なにそのリアクション。
なんで舌打ち!?
いや気持ちはわかるけど、舌打ちなんてしたったらバァちゃん可哀想やし、失礼やんけ!!
そんなジェントルな眼差しで、ここでもう一度改めてそのバアちゃんの姿を確認する僕。
すると、
よく見たらバアちゃんの服とか手とかもなぜかウンコまみれ!!!!
僕「ギャャァァァァーーーーーー!!!!!」
失礼を失礼で上塗りしてしまう僕。
いやね、こんなこと言ったらあれですけど、
批判されるかも知れへんけど、
怒られるかも知らへんけど、
いやもうこれウンコゾンビですやん。
昔シャカゾンビってバンドがいたけど、これはもうウンコゾンビ。
子供の頃母親に、「このクソババァ!!」なんて言ってたけど、これが正真正銘の糞ババァ。
そうして頭の中でなぜか元EE JUMPのソニンのソロデビュー曲「カレーライスの女」が流れ始めた時でした。
運転手と郷ひろみ似の息子がとりあえずばあちゃんに外に出るように促す。
するとバアちゃん、まさかのそのウンコまみれの手で、僕が頭をもたれさせていたシートに手を置いた!!
キャァァァァァーーーーー!!!!!!!
ここでも思わず体を相方の方にのけぞらせ、ギャルのような悲鳴を上げ、さらに失礼を重ねる僕。
失礼なんは百も承知なんですが、まさかのマーキングに思わず。
その後も下車するまで各シートに執拗にマーキングを重ねるウンコゾンビ。
マーキングされる度に上がる悲鳴。
その様相たるや、USJのホラーナイトよりもホラー!!
玉置浩二もびっくりな危険地帯!!
地獄の閻魔もドン引きする極上のカオスがここにあり!!
そうしてようやくバスから下車したウンコゾン、いやバァちゃん。
その隙に嫌々ながらも掃除を始める一人の運転手。
現場は僕のすぐ後ろということで、僕も一旦外に出ることに。
一旦落ち着きを取り戻すためにも、タバコで一服。
バァちゃんは息子にその辺の水たまりで体を洗ってもらってる様子。
するとここで、もう一人の手の空いた運転手が僕に話しかけてくる。
運転手「ヘイ!アミーゴ!俺にもタバコを一本くれないか!?」
この時ほど全力でツッコンだことが今まであったでしょうか。
僕「いや、先ウンコ掃除せぇぇぇぇぇーーー!!!!!」
その後、その空気のまるで読めてない運転所も掃除に加わり、なんとかある程度の匂いを抑えることに成功。
ようやく乗客も落ち着きを取り戻し、
爆心地であるバァちゃんも、息子に新しい服を着せてもらい、
まさに装いも新たにカンクンに向けて再出発。
結局そんな事があったので、バスの到着時間は大幅に遅れて、朝7時ぐらいにようやくカンクンへと到着しました。
たぶんおばあちゃん....
エアコンが寒すぎてお腹が冷えたんでしょうな....。
トイレに行きたくても誰にも言い出せなかったんやきっと....。
12、13時間の移動で、トイレ休憩2回は少な過ぎやもんな....。
可哀想に…。
でも、
でも、
でも、
正直この出来事はこれまでの旅史上一番の衝撃の出来事やったわ!!!
盗難にあったことよりも、高熱出したことよりも、銃を向けられたことよりも、何よりも、まさにうんこのように脳裏にこびりついた唯一無二の思い出やわ。
バァちゃんアディオス!!!
あ〜あ、
青い空、青い海、エロいビキニ、憧れのカンクン。
世界中の人が夢見るリゾート地、カンクン。
そのはずやったのに....
僕のカンクンのスタートは言うまでもありません。
茶色一色からのスタートとなりました。
おかげさまでその後もしばらく立ち直ることできませんでしたからね。
何が一番嫌やたって、自分がウンコした時に絶対に思い出してしまうことが嫌でしたよ。
自分のウンコやのに。
人はこれをトラウマと呼ぶんでしょうね。
以上。
チュンちゃんによる、
世界一周ブログならぬ、
世界異臭ブログでした。
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「旅史上一番の衝撃事件がウンコて!」のいいね!宜しくお願いします。
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