チャオーーーーーーーーー!!!

 

 

さて・・・しばらく続いていた

 

四角ファーザー(認知症&アルコール依存症)の精神科受診&入院までの足取り。

 

 

 

いよいよ今日で最終話です。

 

 

結末は既に分かっているけど、どのようにして説得して病院に連れていったのかを書いています。

 

 

第一話はこちら。

詳しい事情や基本情報はこちらに書いてあります。

 

 

第二話はこちら。

 

 

第三話はこちら。

 

昨日の記事はこちら(第四話)

 

なんでもそうだけど当事者になってみないとわからないこといっぱい。

 

介護に関わらずパートナーのメンタル不調だっていっしょ。

 

 

今まで簡単に「こうしたら?」「ああしたら?」って口にしてたかもしれないって反省した・・。

 

渦中にいる人たちからしたらさんざんやり尽くした上のことをアドバイスしていたのかもしれない。

 

いざ直面してみたらこんなにもうまくいかないものかと思い知らされること多々すぎたので、

私達の体験をシェアすることで、シュミレーションすることができたり

既に経験済の人にとっては、

「あの大変さを誰かに分かってもらいたかった」という気持ちが昇華できたりするんじゃないかと思ってます。

 

 

ただしあくまで我が家の体験ですので

みんながみんな同じように行くとかそんなわけないと思って読んでくださいね

 

 

 

 

 

はだしのままお外に出ちゃった四角ファーザーにお靴を履かせて、

 

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そのままエレベーターに乗る。

 

 

 

行きたくない!!って拒否するかなって思ってたけど、

エレベーターには他に人も乗っていたからなのか

また人格が切り替わってるのか(結構短いスパンで切り替わる)

おとなしかった。

 

 

一階に到着。

 

 

オギャ:「はい、もうすぐお外出ますよ~~!!」

 

 

 

 

今まで暗いお部屋にいたから外がとても明るく見える。

 

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少しでも気がまぎれるように雑談を取り入れていく。
 
 
「わ~~、ほら、お父さん、今日いいお天気。
 
気持ちがいいね~~~」

 

 

四角ファーザーは今どの人格が来てるのかわからないけど、さっきより随分落ち着いた様子。

 

 

 

「ねぇ、お父さん、覚えてる?

 

みんなで三重に旅行行ったの、うちの子たちも入れてみんなで行ったよね。

 

あれ楽しかったね~」

 

 
交流が少なかった義実家だったけど、
その中でも1度、2度、一緒に家族旅行したことがあった。
 
あの時はまさかこんなことになるなんて思ってなかったな・・・
 
 
長年勤めた会社を定年退職して、さぁこれからあちこち旅行に行ったり、
余生を楽しむもんだと・・
 
そしてそれが何年も続くんだと思ってた。
 
 
ほどなくしてコロナがやってきて、それをきっかけに鬱っぽくなってしまってすっかり意欲が失せてしまった。
 

 

まだ元気だったころに行ったっけ・・・

(そしてスシオちゃんがおかげ横丁で迷子になったwww)

 
 
 
 
 
四角ファーザー:「うん、行ったなぁ・・・」
 
 
マンションのエントランスに向かう短い距離。
 
このわずかな区間、少しだけ正常だったころの四角ファーザーが戻ってきてるような気がした。
 
 
 
 
 
オギャ:「お医者さんに診てもらってよくなろうね。
 
 
 

 

元気になったら・・

 

またみんなで旅行いこうね。」

 

 

 
 
「また・・行こうなぁぁ・・・」

 

 

 
 
あぁぁぁ・・・こうなってからこんなこと言ったって・・・遅いわ。
 
 
 
もっと早くにやっておくべきだった
 
 
 
 
物理的に遠いからとか、
疎遠だからとか理由にしてないで
 
もっと元気なうちに、たくさん思い出を作っておけばよかった。
 
 
「元気になったら・・」って言ってるけど、その可能性が限りなく低いことを四角ファーザー以外は全員わかってる。

 

 

それでも・・・・

 

今の最悪な状況から抜け出せたら・・

 

少しでも回復したら・・・

 

もしかしたら近場の旅行なら行けるかもしれない。

 

 

 

ほら、あともう少し・・!!

 

 

 
 

 

お父さん、病院にいこ・・!!

 

 

 

 

はあああああ・・・!!

 

 

外に出たぁぁぁぁ・・・!!!

 

 

やっと外の世界に出られた・・・!!!

 

 

あとは車に乗るだけ・・・!!

 

 

 

四角が車を取りに行ってる。

 

 

と思ったら・・・

 

 

「行かへん!!!」

 

 

 
えーーーー!!!!

 

 

ちょーーーー!!!

 

 

まさかのあともう一歩のところで地べたに座りこんじゃった・・・!!

 

 

 

 

「行かへん!!!」

 

 

 

カーーー!!!!!

 

 

 

でも

 

 

・・・ここまで来たら立ち上がらせるというよりか・・

 

・・思わず抱きしめたくなるのよ。

 

 

すっかり小さくなってしまったお父さん。

 

 

腕も細いし足も細い。

 

 

 

行動も支離滅裂

 

自分で自分が何をしてるのかもわかってないようなめちゃくちゃな状態

 

いろんな人格が出てきてぐっちゃぐちゃ

 

きっと本人だってこんな風になりたくなかったはず

 

どうしてこうなっちゃうのかわからなくて苦しんでるはず。

 

 

 

うしろから抱きしめて、

 

大丈夫大丈夫って肩をさする。

 

 
 
かつてことあるごとに癇癪を起してギャンスカ泣いてるゆいたんに
四角が「大丈夫大丈夫」って言葉をかけ続けたように、
 
 
四角ファーザーの肩をさすりながら大丈夫大丈夫をくりかえす。
 
 
すっかりやせこけた肩・・・
 
 
 
 
すると手に握りしめていたスマホを触りながら電話をかけようとする。
 
(電話に異常に執着してる)
 
 
 
誰に電話するのかというと
 
 
 
 
「四角・・・・四角・・・・・」

 

 

四角に電話をかけようとする。

 

 

 

もうさ・・泣けてくるのよ。

 

 

胸が締め付けられる。

 

 

認知症って怖い・・

 

どんどん壊れていく様を目の当たりにするたび言いようのない気持ちになる。

 

 

 

だって、四角、すぐそばにいるねんで?

 

今車取りに行ってるだけやねんで?

 

 

 

こんなことになってから息子のことを思い込みで恨んでしまうようになったけど、

電話をかける相手はいつも四角。

 

 

きっと四角ファーザーの中で、うまく説明できないけど、四角じゃなきゃ、息子じゃなきゃいけない何かがあるんだと思う。

 
 
必死に四角に電話をかけようとする姿を見て止める気にもなれず、
 
 
 
そうね、電話しよ。
 
四角に電話しよって同意する。

 

 

 

 

 

でもその瞬間、車がやってきて・・・

 

四角ファーザーを乗せる。

 

 

おもらししてるけど、そんなの気にしない。

 

 

 

(幸いびちゃびちゃではなかったの、ちょっと乾いてたw)

 

 

 

 

 

もうなんだっていい。

 

 

よし、みんなで病院にいこ。

 

 
 
車に乗りこんだら、四角ファーザーもすっかりチンっとおとなしくなって、
 
その手を四角妹が握りしめながらお外の風景を見て気を紛らわせる。

 

 

 
「お父さん見て、あそこに新しいお店できてる~
いつの間にできたんやろ」
 
「そうか~ほんまやな~~」っておだやかに話しながら
 
まるで何もないかのように
病気のことも忘れられるような穏やかな時間が急に数分訪れる。
 
 
 
しかし、突然知らない誰かの人格が出てきておかしなことを言ったかと思えば
 
また元の四角ファーザーらしい人格も出てきたりもする。
 
行ったり来たりのパラレルワールド。
 
でも、終始おだやかに車に乗っててん。
 
 

 

 

四角妹:「ほら、家族みんな乗ってるよ。

 

四角も、お母さんも、オギャちゃんもいるよ。

 

みんなでおでかけするのすごい久しぶり。

 

楽しいね・・・」

 

 
ううう・・・
 
こんなおでかけが最後になるかもしれないなんて・・・

 

 

 

せめて少しでも穏やかな気持ちで病院に行ってもらいたいと思い、

 

 

みんなでおでかけ出来て嬉しいねって言いながら病院に到着。

 

 

 

 

病院についてしまえばあとは先生が診断するだけなのだけど

診断の最中にバッチリ精神症状が出てしまっていて、

 

相当厳しい様子をしっかり診てもらえました。

 

 

 

そして・・・

 

 

退院をしても自宅に返すのは厳しいため、

そのまま施設に入所できるように探していく方向になりました。

 

 

家族全員、生活として成り立たないぐらいぐっちゃぐちゃな毎日を送っていたとしても

 

それでもなお

 

自宅から施設に移すって勇気のいる決断。

 

罪悪感だってないわけじゃない。

 

 

そんな中お医者さんからきっぱり言ってもらえたことで諦めがついたというか納得できたと思う。

 

 

 

お父さんは治療に専念して、そこから施設で規則正しい生活を送る。

お母さんはずっとストレスの絶えない生活だったから一人でゆっくりと暮らす。

 

 

四角ファーザーがあの家に戻ってくることはないけれど・・・・

 

 

きっと誰にとってもこれが最善で最良の結果だったと思う。

 
 
 
そう信じたい。
 
 
 
しかも、前日の夕方。
 
 
ふしぎと四角ファーザーがと~~っても落ち着いてたんだって。
 
 
お酒で荒れ狂うこともなく
暴言を吐く事もなく
 
 
静かに、二人でテレビを見てたんだって。
 
 
 
あぁぁぁ‥今日はこれまで通りのお父さんだなぁぁぁ・・ってお母さん、思ったんだって。
 
 
 
 
 
夕暮れに2人そろっておだやかにテレビを見たのが
 
この家で一緒に過ごした最後の思い出になってよかったって・・・思う
 
 
 
最後にこの家で暮らした思い出がさんざんな思い出じゃなくてよかった・・・
 
 
 
思い描いていた老後とは違ったはず。
 
2人がこうありたいと思った未来とは全然違ってしまったけど、
 
それでもこれだけお父さんのことを思って必死になれる家族を築いてきたのはお父さん自身だよ。

 

 

 

 

専業主婦のお母さんと子ども二人大学出して、、、

お父さん一人で働いてよく頑張ってきたと思う

 

今、自分が働くようになってお父さんのやってきたことがどれだけ凄かったかっていうのわかる。

 

 

 

 

夢物語のように思えるかもしれないけど

 

アルコール依存症が少しでもマシになって

また落ち着いたお父さんに戻ったら

 

また

 

みんなでどこか旅行にいこうね!

 

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この気持ちは全部ウソじゃないし、説得するためでもない。

 

 

みんな本当にそうやって思ってるんだよ。

 

 

 

お父さんが入院&施設に移動と決まった今でも、

 

 

 

きっとこれでよかったって思う気持ちと

もっと早くに何かできることはなかったかって日が経つにつれて後悔が募る。

 

 

 

 

大事な夫、四角が病んでしまう前に

 

もっともっと私にできることはなかったかって思う。

 

 

どうしてもっと早くやらなかったんだろうって時間が経つにつれて苦しくなってくるけど

 

 

それでも・・きっとみんなにとって最良で最善の経過をたどってるんだって信じるようにしたい。

 

 

 

 

 

定期的に会いに行って電話をして少しでもお父さんが心穏やかに入院生活を送れるようにしたいです。

 

お母さんのフォローも忘れずに・・

 

 

そして四角・・・。

 

どうしてもっと手助けしてあげなかったんだろう

任せきりにしてしまって申し訳ないことをした。

 

 

せめてもの罪滅ぼしにこれから取り返せる分は取り返していきたいです。

 

 

長いシリーズ読んでくれてありがとう!!

 

 

我が家の経験がどこかの誰かの参考になりますように。

 

 

 

 

 

 

※今日は取材&下書き締切があるので夜の更新はおやすみします。