『市民ケーン』『第三の男』で知られるオーソン・ウェルズがその晩年に手掛けた作品。
『オーソン・ウェルズのフェイク』(1975年)
監督・脚本:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、オヤ・コダール、エルミア・デ・ホーリー、ジョセフ・コットン、ポール・スチュワート 他
元々はテレビ用のドキュメンタリーとして製作されたものが劇場向けに再編集され、日本公開されたのは製作当時ではなく、数年後だったと思います。
小難しいモノを見て背伸びしたい年の頃に見たんですが..... ゴダールやブニュエル以上にさっぱりわかりませんでした。
ピカソの贋作を作っている職人を追うドキュメンタリーという設定で、その職人の伝記を書いている男がレポーター。
そして、そのレポーターはハワード・ヒューズの伝記を贋作しています。
もう、
この設定が早くもわからない(笑)
オーソン・ウェルズ曰く、「この映画は半分がウソ」
でも、見終わった後、
コレって、結局最初から最後までウソ?と思ってしまいます。
オーソン・ウェルズという人、晩年はいかにもペテン師!な風貌でしたが、1930年代に手掛けたラジオドラマ『火星人襲来』を聴いた人たちが、本当に火星人が地球を攻めて来たと思い込んで大パニックになった.... と評伝されています。
子供の頃は肥満でよくいじめられたので、そんな時はトイレに逃げ込み、赤いペンキを身体に塗りたくって血まみれに見せて周囲を驚かせたとか。
人を騙して.... と言うと表現が悪いかな、
周りを驚かせるのが好きだったようですね。
イタズラ程度で終わって笑いが起きるなら良いんですが、現代のフェイクはシャレにならないレベルにまで来ています。
フェイクも押し倒すとホントになる。
いや、
ホントだと思うようになる。
気がついた時には手遅れ。