21世紀になってからの2時間ドラマ、タイトルがやたら長いんですが、気になりませんか?
タイトルと言いますか、正確にはくっついてるサブタイトルが。
「土曜ワイド」や「火サス」の頃から長かったのが、最近は新聞のテレビ欄の枠内に出演者の名前が入らない...
新聞のテレビ欄、2時間枠だと12行ですから、1行目はタイトル。最後は54分あたりから繋ぎのニュース・天気予報がありますので実質10行です。
この10行内に出演者の名前が並びます。
かつて、出演者の3番目か4番目が犯人だ!という都市伝説がありました.... でも、何番目であろうと、2時間サスペンスものは皆さん同じような役しかしませんから、キャスト一覧を見れば誰が犯人なのかはわかりますわね。
そのせい?
タイトル長すぎて出演者が2人ぐらいしか書けません(笑)
「温泉(秘)大作戦 〜 世界遺産の露天風呂に謎の美女? 熊野古道と那智の滝、パワースポットに渦巻く女の情念! 連続殺人! 死体は二度殺された!?」
「南部鉄器の美人職人と美肌効果の露天風呂! 10年前に死んだはずの恋人が帰って来た!? 八幡平の大自然と秘湯を巡る連続殺人の謎」
ギネスに挑戦でもしとるんでしょうか?
さて、
この映画です。
イタリアで "ジャーロ" と呼ばれるジャンルの映画。
『影なき淫獣』(1973年 / イタリア映画)
監督:セルジオ・マルティーノ
脚本:セルジオ・マルティーノ、エルネスト・ガスタルディ
出演:スージー・ケンドール、ティナ・オーモン、リュック・メレンダ
"ジャーロ" とは、連続猟奇殺人を描いたミステリーの事だそうで、その鮮烈な殺し方が特徴。
何せイタリア映画ですので(笑)、謎解きや真犯人は誰なのか?はツッコミどころ満載で二の次。
要は、美人のお姉さんがどんな残虐な殺され方をするか、が、映画の興味で、この手のDVDをたくさんコレクションしていると、友達がどんどんいなくなりそう。
ダリオ・アルジェントの『サスペリア2』はこのジャンルの名作です。
さて、
この『影なき淫獣』、主人公は、イタリアの古都ペルージャで美術を学んでいるアメリカ人留学生のお姉さん、スージー・ケンドール(ダリオ・アルジェントの『歓びの毒牙』に出ていたお姉さん)
彼女の周りでは、被害者の手足がバラバラにされ、乳房が切り取られるという、女性ばかりを狙った連続猟奇殺人が起きていました。
犯人は不気味なマスクを被った男....
ストーリーをざっくり書いときますと、
友人たちと別荘に遊びに行ったスージー、階段から足を踏み外して転落、捻挫してしまいます。
1人だけ寝室で休み、翌朝に階下に下りてみると、友人たちは全員、殺されていました。
そこへ、マスクを被った犯人が戻って来て死体の解体を始めます。
足を捻挫して逃げる事が出来ず、息を殺して友人がバラバラにされてゆくのを見るしかないスージー。
やがて犯人は、靴の数と死体の数が合わない事に気づきます。
もう1人隠れてやがる....?
B級ですが、小道具の使い方や見せ方がうまく計算されていて手に汗握る展開。
ちなみにこの映画、劇場未公開。
テレビで放映されたんですが、その時のタイトルが、
『エロスの恐慌・姿なき絞殺魔 女子学生戦慄の体験・影なき絞殺魔 恐怖の女子学生殺人』
という長ったらしいもの。
※原題は『Torso(胴体)』