山田太一脚本、大林宣彦監督の『異人たちとの夏』のリメイク。
『異人たち』(2023年/イギリス映画)
監督・脚本:アンドリュー・ヘイ
出演:アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル
元ネタの大林宣彦版『異人たちとの夏』は大林作品の中では一番好きな作品でして、私的・オールタイム邦画ベストの5指に入ります。
すでにかなり前にこのブログでは紹介済みなんですが、ある夏の日、風間杜夫演じる中年ライターが、子供の頃に過ごした浅草を訪れ、そこですでに亡くなった両親が "普通に" 暮らしている光景に遭遇するという話。
もちろんその両親はこの世のものではない存在。しかし風間杜夫は懐かしくてたまらず、両親のもとへ通い....
そこに、たまたま出会った名取裕子との関係が絡んで来ます。
この『異人たち』=アンドリュー・ヘイのリメイク版は、舞台を現代のロンドンに移し、主人公は子供の頃に交通事故で両親をなくした40歳のライター、アンドリュー・スコット。
タワーマンションに1人で暮らしている彼は、ある日、幼年期を過ごした郊外の家を訪れるんですが、そこには30年前に事故で亡くなったはずの両親が当時と変わらない姿で暮らしていました。
それ以来、スコットは毎日のように実家に通い、両親との時を過ごします。
当然のように、同じような話。
その一方で、スコットは同じタワーマンションに住む青年、ポール・メスカルと恋に落ちて...
原題は All of Us Strangers
似たような設定なのに大きく違うのは、主人公の中年ライターの恋のお相手がヘイ版では「男」、つまり同性愛だという事。
最近は何でもかんでも多様性、何でもかんでもLGBT様。
こんな必然性のないモン、
いちいちブッ込まなアカンのですかね?
しかも、
男同士の濡れ場でかなり直接的な描写があります。
一般映画の男女のベッドシーンでもここまで見せない。
必要なのかこのムダに過激なシーン?
ホモ野郎が調子に乗りすぎ。
大林宣彦版とどうしても比べてしまうんですが、『異人たちとの夏』は、下町浅草の木造アパート、ランニングシャツ姿の父親(片岡鶴太郎)など、昭和の風情に溢れていて、タイトル通り夏。
亡くなったご先祖が還ってくるとされるお盆のエピソードです。
ひと夏のファンタジー。
ヘイ版にはそういう郷愁は見られません。
が、この映画、欧米では好評なんだそうで。
自分の脚本は一言一句、変える事は許さなかった山田太一氏がこの映画を見たらどう言ったでしょうね。