自主映画時代には暗〜い情念を描き続けた青山定司が2年かけて撮った執念の怪作。
『家獣』(1979年)
監督:青山定司
脚本•青山定司、星 茂
出演:麻生 亮、保坂澄子、深沢裕子、鈴木いづみ
映像を盛り上げる音楽は金子マリ&バックスバニー。
斬新なシンセサイザーは近藤達郎。
話は明治の終わり頃....
東京の名家•花村家に、この世のものとは思えない不気味な男女双子の奇形児(←この表現はアウトでしょうか?)が生まれます。
絶望した母親は首を吊り、その後に夫も病死。
双子の姉妹は代々この家に仕えて来た下男の手によって育てられ、大人になると、今度は近親相姦によって女の子を産みます。
その子も人目につかぬようひっそりと育てられ、美しい少女に成長しますが、恐ろしい惨劇が次々に起こり...
名家の血統を守ろうとする執念と、その虚無感を描いている?? のか、それとも江戸川乱歩的世界を映像化したのか。
こういう映画をどう表現すれば良いのやら??
自主映画上映会でも見る機会がなさそうな "幻の映画"
期待しすぎると肩すかしかもしれませんが、こんなものは今はもう撮れないでしょうね....
監督の青山定司はガン闘病中で、撮影途中で開腹手術を受けていますが、完成作の公開を見届けた後、34歳の若さで亡くなりました。