『クルージング』 | 5番の日記~日々好日編~

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『エクソシスト』『フレンチ・コネクション』のウィリアム・フリードキン監督の異色サスペンス。



『クルージング』(1980年 / アメリカ映画)

監督・脚本:ウィリアム・フリードキン

原作:ジェラルド・ウォーカー

主題歌:ウイリー・デヴィル「It's so eazy」

出演:アル・パチーノ、ポール・ソレヴィノ、カレン・アレン、ジェームズ・レマー




舞台はニューヨークのクリストファー・ストリート。

日本で言うなら新宿2丁目、大阪の堂山あたりと言えば雰囲気おわかりでしょうか。

要するにゲイタウンです。


この街で連続殺人事件が発生。

被害者は何れもゲイで、犯行現場もゲイの溜まり場。



「犯人はホモ野郎だ!」


ノンケの刑事、アル・パチーノがゲイを装ってクリストファー・ストリートで潜入捜査を開始します。


やがて捜査線上に不審な男が浮上....



ロブ・ハルフォードみたいなレザーフェチ兄さんがわらわら出て来て、ハッテン場のシーンでは青いフィルターがかけられた幻想的で独特な色彩の演出がなされています。



そしてこの映画の魅力は、音楽。

R&Bやニューオリンズなどアメリカのルーツ音楽とパンクを融合させたミンク・デヴィルというバンドがあったんですが、そのミンク・デヴィルのフロントマンだったウイリー・デヴィルが主題歌をはじめ、3曲を提供しています。

初期のパンクのアングラさがツボだという方ならきっとハマりますよ。




ちなみに、

タイトルの『クルージング』は「男漁り」を指すゲイ同士の隠語だそうですが、容疑者を誘うアル・パチーノのセリフ、「Hips or Lips?(ケツでやるかい? それとも口で?)」はなかなかに衝撃です。



ウィリアム・フリードキンという人、かなりゲイには偏見と差別心を持っていたそうで、この映画の上映に際しては「ゲイを異常者扱いしている」と同性愛コミュニティから反対運動が起きたりしています。


そもそも何で?

こんな映画を撮ったんでしょうか??




そして、

そのウィリアム・フリードキン監督が一昨日、亡くなったそうです。

87歳。