ムラ社会の闇。 | 5番の日記~日々好日編~

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よってテーマは剛柔バラバラです。



『ヴィレッジ』(2023年)

監督・脚本:藤井道人

出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太




舞台は "薪能" が行われている、夜霧が幻想的な山あいにある架空の村。

のどかな雰囲気には似つかわしくない巨大なゴミ処理場がそびえ立っています。


この処理場で働く横浜流星は、かつて父親がこの村でやらかした事件のおかげで「犯罪者の子」とさげすまれ、給料もギャンブル依存症の母親の借金返済で消えてしまう....  絶望しかない日々を送っていました。



そんなある日、数年前に村を出た幼なじみの黒木華が東京から帰って来ます。


何か心に傷を負っているように見える黒木。


似たもの同士の2人は次第に惹かれ合って....




横浜流星は感情をほとんど表に出さない抑えた演技で、心の葛藤をうまく表現していますが、終盤は怒涛の展開。

山村という閉ざされた世界の居心地の悪さ、タテマエと本音、さらに愛憎・陰謀、歪み。

1人の青年が対峙する闇が怖すぎる。



しかし、

これはこの閉ざされた山村だけの特殊な話ではなく、実はどこにでもあるもの....


村人たちが無表情な能面を着けて歩いてゆくシーンなどは、都会の日常そのものです。




とにかく陰鬱な映画。

救いがありませんが、最後のエンドロール後のアレ....   未来だけはありました。






それにしても、

この映画のタイトル、もうちょっと何とかならなかったのかと思います。

『ヴィレッジ』じゃ何の捻りもない。