ダリオ・アルジェント 83歳。 | 5番の日記~日々好日編~

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今年83歳になるホラー映画の巨匠、ダリオ・アルジェントの新作。


『ダークグラス』(2022年/イタリア・フランス合作)

監督:ダリオ・アルジェント

脚本:フランコ・フェリーニ、カルロ・ルカレッリ、ダリオ・アルジェント

出演:イレニア・パストレッリ、シンユー・チャン、アーシア・アルジェント




娼婦ばかりを狙った連続殺人事件が発生しているローマの街。


正体不明の殺人鬼に襲われたイレニア・パストレッリお姉さんは、逃げる途中で交通事故に巻き込まれ、失明してしまいます。

そのイレニアお姉さんは、同じ事故で巻き添えを食らって両親を失った中国人の少年と一緒に暮らし始めますが、その後も執拗に殺人鬼に狙われてゆく....


.....というお話。




この作品、もし何も知らずに見て、後から「ダリオ・アルジェントの映画だよ」と言われても「ウソやろ?」でしかないと思います。



アルジェントらしさがまるでないのです。



『サスペリア』が公開された時、当時の映画評論家はアルジェントの手法について口を揃えて「邪道」だと酷評しました。

確かに物語はムチャクチャでグロ描写が多く、かなり強引な進行、無理やりな結末。


そして、映像だけがかなり凝っています。

その凝りようが、見たらすぐに「ダリオ・アルジェントじゃないの?」とわかるほど。



でもそこがアカンと言うのですよ。



『サスペリア』は今ではホラー映画史上の大傑作との評価ですから、早すぎたんでしょう。



そしてこの『ダークグラス』、

アルジェントらしくない.... つまり、映像に凝っていない。

じゃあ、ストーリー勝負なのかと思いきや、殺人鬼の正体は途中であっさりバレて(笑)


主人公のお姉さんと中国人少年の間に何かドラマがあるわけでもない。




何がしたかったのやらよくわからない映画です。


せめて音楽がゴブリンだったら良かったのに、かなりライトな電子音楽でこれまた興醒め....




ダリオ・アルジェント監督、年齢を考えるとこれが最後の作品になるんでしょうか?