『南太平洋』 | 5番の日記~日々好日編~

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1943年の『オクラホマ』からの1959年の『サウンド・オブ・ミュージック』まで計9作品を発表しているミュージカル界の第一人者、リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン2世の第4作目、『南太平洋』の映画化。


舞台はブロードウェイで1949年4月に初演、1954年1月まで1925日のロングラン公演になりました。


『南太平洋』(1958年/アメリカ映画)

原作:ジェームズ・ミッチナー

監督:ジョシュア・ローガン

出演:ロッサノ・ブラッツィ、ミッチー・ゲイナー、ジョン・カー、レイ・ウォルストン、ファニタ・ホール、フランス・ニュートン



舞台は南太平洋のとある島、時は太平洋戦争の真っ最中。

この美しい島にも戦争の影は忍び寄っていて、島で農園を営んでいるフランス人、ロッサノ・ブラッツィのもとへ特別任務の為に海兵隊のジョン・カー中尉がやって来ます。


彼の任務は、島の地形に詳しい農園主のブラッツィに、日本軍の艦隊を監視する為の案内役を依頼するというもの。

しかしブラッツィは、島にいる従軍看護婦のミッチー・ゲイナーと恋仲にあり、危険な任務はイヤだと断ります。


仕方なくカーは休暇を取り、伝説の島「バリ・ハイ」の見物に出かけるんですが、そこで出会った島の娘に一目惚れ、2人は恋に落ちます。



ブロードウェイミュージカルですのでね(笑)

かなり乱暴な展開でも突っこんだりしてはいけません。




戦争の悲惨さより南国情緒優先なんですが、ミッチー・ゲイナーが「Live, Live, Live!」と祈るシーンなどは島の自然風景が美しい分、切実さが増していたり、白人と島の娘、人種が違う2人の恋という問題にもサラッと触れています。



この映画、ハワイのカウアイ島で当時としては珍しい2ヶ月の長期ロケが行われ、青い海・常夏の楽園の美しさを70ミリの大画面で「どや!」と見せつけた素晴らしい作品.....

のはずなんですが、

なぜか編集段階で原色を強調したフィルターをかけるという "いらん事" をしてまして、せっかくの自然風景が人工的・不自然&下品なものになってしまいました。



それでもこの映画が名作とされているのは、音楽。

ブロードウェイミュージカルが映画化される時はたいてい、いくつかの劇中歌がカットされたり、舞台にはなかった新しい曲が映画用に付け加えられたりするのが普通なんですが、この『南太平洋』ではミュージカルの舞台で歌われた曲が全てそのまま使われ、余分なものも足されていません。


それだけ名曲揃いという事。

「Some enchanted evening(魅惑の宵)」はミュージカルナンバーの定番です(画面はなぜか突然にセピア色に変わる・笑)


そして伝説の島「Bali Hi(バリ・ハイ)」

幻想的でエキゾチック、圧倒的な歌唱力。


この2曲が特に有名ですが、とにかく全曲が名曲。

サントラ盤もかなり売れたと思います。