『アマデウス』 | 5番の日記~日々好日編~

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よってテーマは剛柔バラバラです。

凡庸な者が天才に抱く妬みと憎悪の裏側....

35歳の若さでこの世を去った天才音楽家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと宮廷音楽家アントニオ・サリエリの確執を通して、謎に満ちたモーツァルトの半生を描きます。



元々はブロードウェイの舞台。

映画化に際し、戯曲を書いたピーター・シェーファーが自ら脚本を書き直しました。




『アマデウス』(1984年/アメリカ映画)

監督:ミロス・フォアマン

脚本:ピーター・シェーファー

出演:F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス、クリスティン・エバソール、リチャード・フランク




1923年11月、凍てつくウイーンの街で、1人の老人が自殺をはかりました。

「許してくれモーツァルト、お前を殺したのは私だ......」


うわ言を吐きながら病院に運ばれた老人は数週間後、神父に意外な告白を始めます。


老人の名はアントニオ・サリエリ。

かつてはオーストリアの皇帝ヨーゼフ2世に仕えた宮廷音楽家でした....



この作品は、大作曲家モーツァルトの半生をサリエリが晩年に回想するという形で進行します。



「お前を殺したのは私だ」

....モーツァルトの死には謎が多く、死亡診断書では「急性粟粒疹熱」となっています。

これだけの人物なのに自分専用ではなく共同墓地に埋葬され、正確な埋葬場所も遺骨も所在不明。


死後間もなく、サリエリによる毒殺説がささやかれた事もあったようです。




「天才」と呼ばれ、その作品は常に畏敬の念を持って演奏されるモーツァルト。

しかし、史実とフィクションの入り混じったこの映画によって一般の人々のモーツァルト観は激変したかもしれません。


オーストリア西部のザルツブルク生まれ。

幼少期からその才能をあらわし、父に連れられて欧州各地を旅行、ウイーン皇帝の宮殿でも演奏したモーツァルト。


宮殿の床で転んだモーツァルトを助け起こした7歳のマリー・アントワネットに対して6歳のモーツァルトが求婚(ナンパ)したという話は有名ですが、さすがにそれはウソでしょう(笑)



作曲の才能は正に「天才」だったが、女たらしで稀代のヤリチン....  これは事実。


サリエリが思いを寄せていたオペラ歌手のお姉さんに手を出したのも事実。


家族や親しい友人らと下ネタ全開の下品な会話や手紙を交わしていたのも事実。



人として最低。音楽の才能は無双。そんなモーツァルトにサリエリは度々神経を逆撫でされ、天才への嫉妬は憎悪へと変わってゆきます。




音楽家モーツァルトの半生を描いた映画?

クラシック音楽?

退屈極まりないんじゃないの? と先入観を持たれたのか、特に有名な俳優が出ていないからなのか、公開当時は極端な不入りで上映2週間で打ち切り。



しかし、その直後にアカデミー賞を獲っちゃった!



急きょ再公開されて大ヒット!



実際、面白いですこの映画。

登場人物がもれなく怪演だし。



ちなみに、

劇中で使われている音楽はもちろんモーツァルトの曲で、タイトルバックで流れるのが「交響曲第25番ト短調」第1楽章。

この曲が書かれたのは1773年、モーツァルト17歳。


すごい.....