小澤征爾&ボストン交響楽団と言うと、なぜだか“出オチ”みたいにクラシックファンの中では微妙な半笑いになる方が少なくありません。
なんででしょうかね?
ボストン交響楽団は世界6大オーケストラの1つですし、小澤征爾はそのボストン響の音楽監督を30年も勤めたのに。
それが長すぎたか…?
で、『四季』です。
誰もが知ってるヴィヴァルディの『四季』
絶対安心商品。
これは1981年のデジタル録音。
レパートリーの広い小澤征爾ですが、バロック音楽はあまりお好きではないようで、ほとんど取り上げません。
ですのでこれは貴重?
しかもヴァイオリン独奏がジョセフ・シルバースタイン。
指揮者に転身する直前で、ボストン響のコンサートマスターだった人です。
『四季』を演奏するオーケストラのほとんどが、作曲された当時に近づく事を試みますが(だから似たような音になる…)、小澤征爾はここでそういう風潮に完全に背を向け、現代的な機能性を感じさせる『四季』に挑戦しています。
この演奏からは、のどかな田園風景や自然豊かな雰囲気はあまり感じられず、終始爽快でシャープ。
意図的なものなんでしょう。こんな『四季』は聴いた事がない…良い意味でカドがあります。
クラシック音楽と言えど、後ろ向きではいけないんだとよくわかります。
日本盤の帯には、小澤征爾自筆の「小澤の四季」の題字が記されていました。