元サッカー日本代表監督のイビチャオシムが、監督に最も必要なのはカリスマではなく知識だといった。これは炯眼な言葉だ。そして全く同じことがプロジェクトマネージャーにも言える。

前に段階的にリリースすることで開発期間は短くなると書いたが、実は短くしない方が良い場合もある。
段階的リリースではリリース直後に次のリリースが待っている。つまりリリース間隔が殆どない。だがそうなるとフィードバックも小さくなる。
だがリリースしてからしばらく使ってもらい次のリリース直前に再度ヒアリングすればより大きなフィードバックが得られる。より優しいシステムを納品できる。
従来の段階的開発をW型というならリリース間隔をとるこの手法はV_V型である。両者にはメリットデメリットがある。W型はスピードがあり開発コストもかからない。対してV_V型はクライアントの要求を最大限に引き出す。

プロジェクトマネージャーに必要なのはこうした開発手法の知識である。どんな開発手法が相応しいかを判断するには知識が必要だ。開発手法の知識がないプロジェクトマネージャーなんて、プログラム言語を知らないプログラマと同じだ。
だが、この様なプロジェクトマネージャー失格とも言えるプロジェクトマネージャーは少なくない。これは本当に困ったことだ。