終戦後、総理大臣を務めた幣原喜重郎の「終戦前後策」という意見書に次の様な文があります。
「凡そ列国間の関係に百年の友なく、又百年の敵なし、現に連合諸国間にも幾多の重要案件に関して利害を異にする所あり、終に抗争対立するの徴(きざし)なしとせず、又、戦時に抗争対立せる諸国間にも迫て時局の進展に従ひ相互の協力、支持を要する問題に直面することあるべく、わが施策がよろしきを得たれば、今日の敵を転じて明日の友となすこと必ずしも難からず、孤立政策はわが国歩伸張(国力発展)上、得策ならざるが故に、われは終始列国離合の動向に注視し、好機に乗じて局面展開を図る用意をする必要がある」
この言葉は、今仲が良いからと言ってもちょっとしたことで仲違いしてしまい、逆に今仲が悪くてもちょっとしたキッカケで仲直り出来ると言うことを示唆しています。
今日、日中国交正常化50周年を記念して来週から静岡県で開催される「日中子ども写真展」の会議に、ドローン体験会の担当として参加しました。
現在、日本と中国の関係は微妙ですが、国家間の関係は人間関係と同じで、良い時もあり、悪い時もあるものなので、良い関係を築こうとしている人々の努力は讃えられて然るべきだと思い、幣原喜重郎の言葉を引用させていただきました。
中国人はなってないとか、日本人はどうとか、一括りで相手の国の人を蔑む人がいますが、近視眼的な物の見方が関係のない人まで巻き込んでいるということを自覚すべきだと思います。


