戦前・戦後の混乱期に国鉄総裁として職務を全うした石田禮助(れいすけ)の話を栗下直也先生がJBpressに投稿しています。一部を抜粋します。
石田にはノーブレス・オブリージュ(高貴な義務)の精神があった。リーダーたるものは自分を捨て、組織やそのメンバーを考え、行動しなければいけない。何かあればリーダーは先頭に立ってこれに対処し、組織が誤りを犯せば全責任を負わなければならない。
(中略)
国鉄総裁として初めて国会に呼ばれた際には、議員たちを前に「粗にして野だが卑ではない」と自己紹介したことは有名だ。がさつかもしれないが、いやしく物欲しげな人間ではない。リーダーとして、人間として守りたい、守らなければならない一線を示した。
(中略)
一方、「公職は奉仕すべき」の心は最後まで貫いた。鶴見事故以降、「やはり国鉄総裁というのはお金を貰ってやる仕事ではない。サービスアンドサクリファイスだ」と3分の1に減らしていた給料を辞退した。
石田は決して政治家に頼らなかった。政治家に対しても臆せずに「諸君」と呼びかけ、国会では「国鉄の今日の状況の遠因は政治にある」と歯に衣着せぬ発言を放ち、池田勇人を苦笑させた。
晩年にノーブレス・オブリージュを実践して見せ、範となった。どこまでも「卑ではない」姿勢を示した。果たして今の経営者や政治家にここまで「卑ではない」者がどれくらいいるだろうか。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/83078