【妄想Zone】「兄に愛されすぎて困っちゃってます」(後編) | ☆つっこのオモチャ箱☆

☆つっこのオモチャ箱☆

つっこの「元気のモト」:Sexy Zone(佐藤勝利くん多め)、エンタメ、ドラマ…などを詰め込んだブログ♪セクゾ小説も書いてます

 

 

えっと…、「前編」の続きです。(当たり前だ(笑))

 

詳しくは、↓コチラの「前編」をご覧ください♪

(「兄に愛されすぎて困っちゃってます」(前編))

 

 

*******************

 


【兄に愛されすぎて困っちゃってます】(後編)
 

 


私は、お兄ちゃんに気付かれないよう、身ぶり手振りで勝利くんに呼びかけた。

 


すると、気配に気付いた勝利くんが、「ん?なに?」って顔をして私を見た。

 

 

【それ、飲んじゃ、ダメ!】

そう伝えるために、私はまず勝利くんの手にしてる茶碗を指差し、次に両手で茶碗を持って飲む仕草をし、そして最後に顔の前でバツを作った。
 

 

勝利くんは、私のジェスチャーを確認すると、自分が手にしている茶碗をジッと見つめた。

そして、チラッと私に視線を向けると、口を閉じたままニッと笑い、力強く頷いた。


(えっ!飲む気なの!?)

勝利くんにもう一度呼びかけるため、私は必死に手を振った。



(あっ、やばっ…!)

でも、お兄ちゃんに見つかって、スゴい目で睨まれてしまった…。

 


仕方なく、私はその場を立ち去るため、ノロノロと立ち上がった。


「マジか…」

お兄ちゃんのその声に顔を上げると、勝利くんがちょうど『風磨スペシャル』を飲み干すところだった。


「うそ…、飲んじゃった。」

私もお兄ちゃんもポカーンとしていると、勝利くんはお兄ちゃんに向かって「ごちそうさまでした」とニッコリ笑った。
(でも…、ちょっと涙目?)


「よしっ!その飲みっぷり、気に入った!」

お兄ちゃんは勝利くんの背中をバンッと叩いた。


「中でゆっくり話そうぜ。ここじゃ邪魔が入るから…」

お兄ちゃんは『邪魔』のところで私を見ると、勝利くんを促して縁側から家の中に上がった。

 

(なによ~!お兄ちゃんのイジワル!いいもん、そっちがその気なら…)

私は急いで玄関に廻って家の中に入った。
そして、2人がいる廊下と接した部屋にそっと滑り込み、引き戸の隙間から2人の様子を覗き見た。


「お前さ~、ミホのどこがいいわけ?」

お兄ちゃんが勝利くんに問いかけた。


(これって…)

 

さりげない質問っぽいけど、『審査』の真の最終問題だ!


実は以前、一人だけ『風磨スペシャル』を克服した人がいたけど、この質問でアッサリ不合格になっていた。



ちなみに、不合格になったその彼から聞いたところによると、私を好きな理由に『可愛い』はNGワードらしい。


『可愛いから』と答えると、お兄ちゃんから「人を見た目で選ぶのか?」と非難される。


それならばと、『優しい』『気が合う』…など、別の理由を挙げてみても、「それなら、ミホじゃなくてもいいんじゃね?」と返されるそうだ。
 

 

本人の私でさえ『正解なんてあるの?』って思ってしまう。



「どこって聞かれると困るんですけど…」



少し考え込んでいた勝利くんは、お兄ちゃんに向かって照れくさそうに答えた。

「ミホちゃんは…可愛いです。」
 

 

(あ~、終わった…)

勝利くんが私のことを『可愛い』と言ってくれたのは嬉しいけど、完全にNGワードだ。


お兄ちゃんが勝ち誇った顔で口を開きかけた時、勝利くんが言葉を続けた。

「ミホちゃんって、うちのキーに似てるんです。」

「キー?」

お兄ちゃんが聞き返すと、勝利くんは「あ、キーはウチで飼ってるインコで…」と説明した。



(キーちゃん…)

私は、この前 勝利くんから見せてもらった、キーちゃんとの自撮り写真を頭に思い浮かべた。

 

 


確かにキーちゃんは可愛い。
でも…私に似てる??

 

 

「なんだ、鳥かよっ!…で?」

お兄ちゃんは軽くツッコミながらも先を促した。


「キーはオレに一番なついてて、家ではいつもオレのそばにいるんです。どこへ行ってもついてきて。」

「一生懸命 羽を動かしてオレについてくるところが可愛いっていうか…」


「なんか、全身で『好き』って言ってくれてるみたいで嬉しいんです。そういうところがミホちゃんも似てる気がして…」


そこで勝利くんは何かを思い出したかのようにフッと笑った。



「あ~、確かに。あいつ、そういうオーラ出しそうだもんな。」

そう言ってお兄ちゃんも笑った。


「それに、ミホちゃんは裏表がない真っ直ぐな人だから…。だからオレも安心して素でいられるんです。」

「そっか…」


「オレ、そんなミホちゃんが好きです。だから、ミホちゃんと付き合うこと、認めてください。」

勝利くんはお兄ちゃんに向かって頭を下げた。



「…分かった。」

お兄ちゃんは、勝利くんの肩をポンと軽く叩いた。

「俺の方からも頼むよ。ミホをよろしくな。」

 

 

 

(やった~!…勝利くん、合格だ!)



「…それ、大丈夫か?」

お兄ちゃんが、勝利くんの髪に視線を向けて言った。

 


そう…。
審査の時は怖いけど、お兄ちゃんは本来、こういう心配りの出来る優しい人だ。


「大丈夫です。これ、今日だけなんで。」

勝利くんは、髪をスプレーするジェスチャーをして、イタズラっぽく笑った。


「んだよ~。心配して損した。でも、ますます気に入った!さっきの、もう一杯どうだ?」
 

 

「それはちょっと…」

さっきまで得意気だった勝利くんから笑顔が消え、お兄ちゃんは愉快そうにハハハッと笑った。


私は、今すぐにでも飛び出して、2人に抱きつきたい気持ちでいっぱいだった。

 


…でも、これは私が聞いてはいけない男同士の話。

それが分かっていたから、私は2人に気づかれないよう、静かに自分の部屋に戻った。


(fin.)

 

 

★この物語の続編はコチラ

(【妄想Zone】「初詣」)

 


*****************

 


以上です。


なんか、勝利くんとミホちゃんの胸キュンシーンはありませんでしたが。

…というか、ミホちゃんは盗み聞きしかしてませんが(笑)。


でも、今回は勝利くんと風磨くんの『男同士のやり取り』を書きたかったので、私的には満足です♪


ミホちゃんは、風磨くんと兄妹だけあって美人さん♡
ゆえに、言い寄ってくる男の子も多い。

 

ミホちゃんは今まで、特に相手のことが好きじゃなくても「付き合ってるうちに好きになるかも…」と、深く考えずにアッサリ告白を受け入れてきた。

そんな危なっかしい妹を心配して、兄の風磨くんは『審査』をしてきていたのです。

 


そしてようやく、「こいつになら妹を任せられる」と、勝利くんが認められましたクラッカー


勝利くんのことを気に入った風磨くんは、仲間と遊ぶときにも勝利くんを連れていったりしそう♪


それで、置いてきぼりになったミホちゃんが、『勝利くんは、お兄ちゃんの友達じゃなくて私の彼氏なんだよ!』って怒ったりして。

そんな微笑ましい光景が想像できます照れ


いつもとはちょっと違う作風の話でしたが、楽しんでいただけたら嬉しいです♪

 

 

★この物語の続編はコチラ

(【妄想Zone】「初詣」)