(小さな恋の物語) BY美海真里

あるところに、とても可愛い、同い年の男の子と女の子がいました。

2人は、いつも何をするのも
一緒。

本当に仲の良い幼なじみでした。

でも、年頃になるにつれ、男の子は照れくさくなり
女の子と、遊ばなくなりました。

女の子は、悲しくなりましたが、
仕方がないことと、寂しく思いながら離れていきました。

そして、数年が経ち
数えで16になった女の子が、となり町にお嫁に行く事になりました。
その事を聞いた男の子は、とても衝撃を受けて
女の子に、自分があと5年の間に結婚しなかったら
女の子が嫁さんに行ってしまった事を後悔するだろうと思う
と、告げました。

女の子は、その言葉を胸の中に、大切に大切にしまい嫁いで行きました。

そして、長い月日が流れたある日
たまたま、2人は街角で出会いました。

二人とも、子供にも恵まれ、それぞれの暮らしをしていましたが、

男性が、まだ彼女に対して、思いがある事を告げてしまいました。

彼女は、淡い大切な恋心を今も大切に大切に
心にしまっていましたが、
しまっていたからこそ、こうして偶然に会っても
懐かしい幼なじみとして、話ができる。

でも、それを聞いてしまうと、二度と幼なじみのままではいられないと
涙を流しながら、その場を去ってしまいました。

一人残された男性は、やっと本心を伝えたられたのにと
切れてしまった二人の糸を、ずっとずっと見つめていました。






思慕は、心の中にある時が、一番美しいのかもしれません。