遠山記念館 | 再建築不可リノベ

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再建築不可物件を購入、リノベーションする過程を記録していくブログです。古民家、リフォーム、リノベーション、施主支給に興味がある方はどうぞ。建築家とつくる家づくりが身近に感じられるよう綴っていきます。

家の玄関の正面の壁に左官してもらうので、今どんな左官壁にするか夢中。

早速左官の参考に遠山記念館に早速行ってきました。今まで見た和風建築で一番かもしれないくらい贅がこらしてあり面白かったです。
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日興證券の創始者の自邸。ざっくばらんに書いてある建設記が休憩室にあり、大分楽しめました。没になった案の図面まで掲載されていたり、綿密な計画と美しい手書き図面が見る事ができます。

昔失った土地を商売が成功してから取り戻すところからはじまり。。大工の棟梁と創立者の兄、大学の教授3人が中心人物。主に建築知識がない兄と頭領が活躍。兄はとにかくいい物をとお金に糸目をつけず日本中から良い物を集める。関係者も含めると10万人がかかわった大工事。田舎の中にぽつんとあるので本当に驚きます。子供達へのインタビューもあり、身内ならではの辛口トークが炸裂で面白い。おじさんはお金儲けは下手だったけど審美眼はあったとか、棟梁は小さい時はよく修理に来ていた、戦争の時は面取りのガラスは隠していた、おばあちゃんは本当はかわいらしいうちに住みたいと言っていた。。など。

こんな邸宅が現存しているだけで素晴らしいです。オリンピックとかで外国人観光客も増えてくるので見に行くと面白いと思います。交通の便悪いけど。


日本家屋の奥深さを垣間見た日でした。とても全部のせられないほど広大です。3棟がくっついていて、後は別棟に1棟、お茶室も1室あります。


これは古くなったからこんな模様になったのではなく、下地から経年変化が楽しめるようにあえて作られています。ふすまもこれに合わせてしつらえてあったり。(クリックすると少し見えます)


土壁


砂壁。近くで見ると紫と茶がかっていて綺麗。今はもう存在しない土も混在。


大津磨き


磨き仕上げ


今回一番見に行きたかった「蛍壁」鉄粉を醤油につけて土に混ぜて塗ると時間が経ち、錆が蛍のように見えるのです。


世の中便利になっていくに従って、なぜか住む場所は味気なくなっている。。既製品に囲まれて人の手が加わっている物が減っている。。昔の方が良い物に囲まれているのではと思う事はよくあります。なるべく出来る範囲で日本の持っている素晴らしい技術や美しい物を住宅に取り入れて行けるようにと思います。設計事務所はそういう細かい自由が利くのがよいです。

シンプルな住宅に壁一枚あるだけでとってもモダンな感じにもなりそうですし、こういう伝統を目にしながら生活したら気持ちがしゃっきりしそう。湿気を吸ったり体にも優しい効果もあるし、いい左官壁にしたいな。とても大事にできそう。

いやーこういう物を見ると日本人だな、自分って思いますね日本LOVE畳や欄間にもほっとする。粋なものはいいですね。

今日も読んでくださってありがとうございますハート

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