1/8に、ジョージア州選挙介入起訴の被告の一人、元トランプ側近のロマン氏がジョージア州地裁に不倫を理由にジョージア州地区検事ファニ・ウィリスを裁判から降ろすことと起訴却下、という2件についての請願書を州地裁に提出して、この不倫騒動は始まった。地裁判事はウィリス検察官の資格審査公聴会を開いて事情聴収を行なった。それが昨日終了した。判定は約2週間後の予定です。
2022年のトランプのジョージア州選挙介入起訴についての拙記事は下です。
ロマン元トランプ大統領補佐官の請願書はトランプ式トンデモ訴訟(=frivolous lawsuit)の匂いがプンプンするしろもの。
目的と内容が繋がっていない。これは多くのTVの弁護士キャスター達も指摘していた。法的用語を使ってはいるが中身はタブロイド紙のセレブ不倫の暴露記事としかいいようがない。
しかしこの鳴り物入りで開催され全米ライブとなった公聴会は悪評ぷんぷん。公聴会の目的は法的利害相反の追求のはずだったが、実際はファニ・ウィリスと相手のウェード氏の不倫追及に追われて、法的利害相反はどこかに行った!
トランプ側の焦点は、ウィリスは長年の不倫相手ウェード弁護士、当時は判事、を州と契約させて多額の報償金を与え、彼女もそのおこぼれにあずかった、という汚職ストーリーにすり替わった。ウィリス州地区検事が、セックス中する仲になったのは2022年で、契約を結んだ後、と証言。
2019年と主張するトランプ側はウソだ!と彼女はトランプ側に怒りを爆発させた。
しかしこの混乱の公聴会で出てきたのはある真実だった。
この事件はジョージア州選挙介入被告の一人、元大統領補佐官ロマン氏の弁護士、アシュリー・マーチャントに、不倫相手のウェード弁護士の法律事務所の元パートナーであったブラッドリー弁護士が去年の10月にコンタクトしたことで始まった。
これは2日目の公聴会で州検事側から暴露されたのだが、ブラッドリー弁護士は、ウェード弁護士と共同経営していた法律事務所の女性に性暴力をふるったという理由で離職し、被害者には口止め料を払っていた。それ以前はウェード弁護士の離婚弁護士でもあり、二人は大学時代からの親友でもあった。
このブラッドリー弁護士とマーチャント弁護士のコンタクトはつい先月の2月の始めまで続いた。当然、ウィリスの降格と裁判中止を請求する訴状はこのブラッドリーの承認を得たものだった、とマーチャント弁護士は、繰り返し法廷で主張。
というのは、ブラッドリー弁護士はトランプ側のスター証人として出廷したのに、突然態度を豹変させたからです。
最初は元友人ウェード弁護士の離婚弁護士だったことを理由に二人の関係については弁護士特権を理由にのらりくらりとかわすばかり。
しかしその日の最後になって、ウィリス州検事側が、ウェード弁護士が彼をクビにしたことを暴露し、彼は全く信用できない証人だ、と宣言した。
でその日は驚きのなかで閉廷した。
トランプ側は、ウィリス州地区検事とウェード弁護士の不倫は2019年の出遭いからスタートし、二人は問題の契約以前に半同棲していた、と裁判所の書類に書いていた。
もう一人のトランプ側の重要証人がいて、二人の仲は2019年から始まった、と動画証言したが、この女性は実はファニ・ウィリスのホワード大の同窓生で親友だった。ウィリスの下で働いていたが、不祥事を起こしでクビにされた。
ところで、暴露後に判事のみに召喚され、そこで弁護士特権を否定されたブラッドリー弁護士は、最後の日の公開証人尋問では、憶えていない、質問がわからない、を繰り返した。
トランプ側の弁護士に、あんたはウソをついたのか、と問い詰められると、二人の関係は私の憶測からです、と答えた。
これでトランプ側の証人は総崩れです。