リゾットチャーハン ~香港路・頂好~ | 中華街ランチ探偵団「酔華」

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中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。



 私はこの「頂好」がたいへん気に入っている。それは“料理の味がいいから”というだけではなく、お店の方々のお客さんに対する接し方が、なんとも家族的でほのぼのとしていて、和みの昼食をとることができるからだ。

 そば1杯、チャーハン1皿の修学旅行の中学生に対しても、嫌な顔をせずにこやかに話しかけたりしているのを、何回か見かけたことがある。5人で行って5種類注文しようとしたら「3種類に絞ってくれ」というような有名店があったけれども、そんな店と比較しなくたってココの接遇は嬉しくなる。

 さて、そんな「頂好」のメニューの中に、以前からちょっと気になっているものがある。
 リゾットチャーハン! 900円!
 これ単品で900円というのは、不味かった場合チョット困るので、なかなか手を出さないでいた。でも、表のランチセットを見ていたら「リゾットチャーハン+ラーメン+杏仁豆腐=850円」というのがあった。
 今回は思い切ってコレを注文。

 出てきたのは“冷汁の汁少な目”か“猫メシ”のような容貌のチャーハン。
 名前がチャーハンリゾットではなく、リゾットチャーハンというからには、やはりチャーハンの部類に入るんだろうね。

 昔はチャーハンといえば、凄腕のシェフが鍋をあおって米の一粒一粒を油や玉子でコーティングし、パラパラに仕上げたのが極上とされていた。
 ああ、それなのに、それなのに、なんということでしょう! 最近はチャーハンの周囲をあん入りスープで取り囲んでみたり、はたまた小山のように盛り上げたチャーハンの上から“あん”をかけてしまうなんて暴挙がまかり通るようになってきた。
 それでもこれらはまだ炒飯と“あん”が分離しているから、一応、小山の部分はチャーハン本来の姿をとどめている。

 ところが、ここのリゾットチャーハンは、すでに炒飯とスープがシェフの手によって混ぜ混ぜされてしまっているのである! お客がちょっとずつ混ぜて味わってみたり、スープの部分だけ食べてみたり、あるいは“あん”のない炒飯本来部分だけをすくってみるといった楽しみが、最初から奪われてしまっているのだ。
 シェフがせっかくパラパラに仕上げた炒飯を、こともあろうにスープでグチャグチャにしてしまうなんて…

 で、ひと口頬張ると、ん? 意外といけるではないか。
 エビ、イカ、貝柱などが入って、豚系のダシを背景にした海鮮風味のしっかりした味わい。
 炒飯の雰囲気がそこかしこに現れてくる。これはリゾットではない、おじやでも雑炊でもない、ましてやお粥なんかではない、紛れもない炒飯の味がする。


 セットでついてくるラーメン。量は半端じゃない。トッピングはメンマと赤い叉焼1枚。その叉焼はイマイチだが、結構、昔風の懐かしいラーメンだ。
 

 食後の杏仁豆腐。柔らかいのだが粘度があるタイプ。好みの味だなぁ。


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