間もなく壊されるストロングビル | 中華街ランチ探偵団「酔華」

中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。


 
 横浜公園の噴水あたりから中華街方面を眺めると、格好のアイストップとなる美しいストロングビル。間もなく、これが解体される。

 ストロングビルは、昭和13(1938)年に外国商社の事務所として建造された歴史的建造物だ。これをホテルへ建て替えるにあたり、一旦は解体するものの、新築ホテルの低層部に復元する方向で、所有者との間で調整がついたという。

 そこで横浜市は、ストロング・エンド・カンパニーの協力を得て、このビルの見学会を開催した。9月1日(土)、2日(日)の2日間だけなのだが、本日は、横浜国立大学教授・吉田鋼市氏の解説付きで内部を見学できるというので、時間を割いて行ってきた。

建築計画が掲出されたストロングビルの敷地。アマゾンクラブも既に移転蔦も生えていたのに…壊されてホテルになるって
1階の男性用トイレ。床と個室の間に段差がある。壁はタイル貼りだ。隣の部屋との間にあるドア。桟が入っていて、どこか懐かしい。
階段室、1・2階部分の窓。アーチが美しい。アーチ下部の細かな段々。現代建築なら無駄といわれかねない。
隣の部屋につながるドア。1階で見たのとはまた趣きが違う。1階の湯沸かし場。ずいぶん天井が高い。写っていないが床もレトロである。
3階の懐かしい上げ下げ窓から大桟橋通りを眺める。建築パース。1階部分にストロングビルのファサードを復元するようだ。
裏の駐車場との出入りに使ったのだろうか。懐かしい形である。煙突にまで装飾が施されている。スチーム暖房に使っていたようだ。


 吉田鋼市先生の解説を聞くために集まった市民。当初は午後2時に1回だけの予定だったのだが、駆けつけたファンがあまりにも多かったため、急遽、1時半と2時半の回もつくり、つごう3回も解説をしていただいた。

 このビルは昭和13年に創建された。設計したのは、旧三菱銀行横浜支店(現・Dグランフォート横浜)や旧川崎銀行横浜支店(現・日本興亜馬車道ビル)の作品で知られている横浜の建築家・矢部又吉。
 戦前から外国商社として使われ、現在もそのままの形でまるまる残っている貴重な遺構なのだという。

 残念ながら今回、これが解体されてしまうのだが、新しくできるホテルの低層部分に、できるだけ復元していく計画である。
 2009年6月、開港150周年の年にホテルはオープンする。

←ストロングビルよ、残念! と嘆きながらワンクリックを

横浜中華街探偵団のホームページ→「ハマる横浜華街」ランチ情報へ