教育業界には通説があります。

Ed-Techの走りと言える東進ハイスクールの映像授業は、高校生の同世代偏差値55以上でないと効果がない、または60以上でとてもフィットすると業界的に言われます。

それは、理解力が一定以上高くなければ、
・どこがわからないかを探り当てて、追加の説明が必要になる
・より多くの具体例を入れなくてはいけない
為に、超一流講師でも動画で教えることが困難(つまり、集団指導が困難)というのが主な理由です。

翻って中学受験に挑む子供達。
勿論、まだ年齢的に頭脳面で発達段階だとはいえ、その頭脳の平均レベルはゆうに同世代の偏差値60(10人に1人)は超えてくるのは当然のこと。公立小学校の1/10以上でなくてはそもそも中学受験をさせようとすらならないだろう。

逆にいうと、中学受験の子供達とは、最も映像授業にフィットする頭脳レベルの集団、だと言うことができる。

勿論、人間ならではの動機付けや、集団心理(あいつがやっているから僕も頑張ろう)はあるが、そこも詳細に分解していけば、リアルだからできているものでもないし、デジタルサービスと人の介在を組み合わせて提供できるものでもある。

中学受験コベツバ、は世の中に今あるサービスを踏襲するでもなく、単なるEd-Techと言うカテゴリーに則るでもなく、保護者様・子ども達が困っていることに耳をすませながら、柔軟に対応していきたいと思う。

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StandByを始めて二ヶ月。
幸いにも大変好評を頂いており、こちらが思ってもみなかった「リアル家庭教師の時にもたまにしか実感できなかった副次的効果」も映像を通じて提供できている声を頂いている。

・問題のポイントとなる解法だけではなく、計算の工夫
・問題のポイントとなる解法だけではなく、整理の方法
・問題のポイントとなる解法だけではなく、考え方の切り口
・意外と難しくないと言う問題に対する必要以上のおそれの軽減

これらは、プロ講師としてもなかなかリアクションの「声」としてはもらえかったものでもある。でも、こう言う声が一気に届いてきている確かな事実がある。

また、保護者様との成績・答案分析や勉強戦略のやり取りは家庭教師時代のやり取りと完全に同じ。つまるところ、家庭教師を自宅に再現することはだいぶできてきたんだな、とは思うものの、まだまだここから今度は多数の人に広げるだけではなく、一人の生身の教師ではできなかった価値を生み出すべく頑張っていきたいと思う。

教育のテクノロジーの進化は受験から発生する。理由は最も顧客のインテンシティ(熱量・本気度)が高いから、と言われる。でも、進化は待っていて何処かの誰かが起こしてくれるものではなく、あくまでも自分たちで生み出していくものだと思う。そして、この今もまた困っている保護者たち・子ども達からの声が届いてきている。

保護者様・子ども達の大きな期待に突き動かされて、行けるところ、出来るところまでやっていきたいと思う。