前にも似たことは触れたかも知れません。

 

私は、この(ある程度の規模の塾に関わるという形での)仕事をまだ40年にはなりませんが、最初、自分が中学受験の時に御世話になった(個人)塾を少し手伝うことからスタート、そしてその塾から紹介されたところに個人的に教えに行くというのもあったりしたのですが、どうも個人的なもの…というのが物足りなくて、当時飛躍的に合格者数を伸ばしていた大手塾の門を叩いたのが、大学院入試合格直後のことでした。そこから、複数の大手塾に20年弱関わって、一旦少し規模の小さいところに出て、その途中に首都圏の中学受験も経験できたのですが、再び関西でさらに別の大手塾に属するようになって、10年足らずになります。

 

その、規模が小さいところにいた10年程度のところで一番自分で心配をしたことは、色々なスキルなどが衰えるのではないか…ということでした。結局のところ、自分を磨いてくれるのは、まずは生徒、そして周りのスタッフ…ということだったのです。どうしても規模が小さいと、関わる生徒の数も少なくなりますので、大手塾で多くの生徒に磨かれる状態に比べると、不安になったのでした。なので、その期間は、たまたま紹介を得て本を書く話が回ってきたので、そういう負荷を自らに課したりもしていました。(いつも午前1時~4時頃をそれに充てていました。そして、チェックなどは電車の中の時間を利用していました。)

 

考えてみれば、今関わっている生徒の多くは、東大や国立大医学部などか、それと同等の大学に進むであろう生徒ばかりです。そして担当している科目が算数なので、一番年齢差が関係しない科目になってきます。生徒に対する優位性など確保できるわけがありません。この部分を勘違いしている担当もかつては見てきたのですが、残念なことです。(生徒の方が明らかに頭がよい。そして、生徒が合格していくのは、自分=担当者の尽力ではなく、まずは生徒本人の努力と保護者のサポートによるもの、そしてあと他教科の尽力にも助けられているということですね。さらに、多くの生徒さんが集まるのは自分がすごいのではなくて、塾そのものに集客力があるから、要するに看板の御陰です。)

 

結局、進学校に進む一つのポイントも同じと思います。勿論、先生方も素晴らしいと思いますが、周りの生徒から良い意味での影響を受ける、啓発される、そういうところが魅力なのだと思います。勿論、実は、自分も周りに対して影響を与えている…ということなので、相互作用なのですが。